2025年10月19日ごろから、がん治療・がん研究への寄付がSNS上で広がっている。この動きの発端となったのは、がんで亡くなったXユーザーが最後のメッセージとして残した「グエー死んだンゴ」という投稿だった。
国立がん研究センター広報企画室の担当者は10月22日、「SNSを通じて多くの方々が寄付という形でご支援の輪を広げてくださったことに、心より感謝しております」とJ-CASTニュースの取材に答えた。
国立がん研究センターへの寄付も増加
今回注目を集めたXユーザーはがんを患っていることをプロフィール欄などで明かしていた。以前から闘病生活に関する情報などを発信する中、10日に「多分そろそろ死ぬ」と記した。
その3日後の13日、再びXが更新されたが、それは投稿者本人ではなかった。Xアカウントを以前から預かっていたという「友人」が、投稿者本人は前日12日に「静かに息を引き取りました」と代理で報告した。
その翌日、先述の「グエー死んだンゴ」という投稿がポストされたのだった。生前に予約した投稿だったとみられる。
「グエー死んだンゴ」とは、10年代にインターネット掲示板「2ちゃんねる」で話題になったインターネットスラングだとされている。暴言などに対する茶化しとして使われてきたという。
今回、「辞世のポスト」して注目された「グエー死んだンゴ」という投稿は、22日時点で3億1000件以上表示された。
ほかのユーザーからは、「ツイッタラーらしい死に様に心の底から敬意を表する」「同じツイッタラーとして敬意を表します」などと感服する声もあがったほか、お馴染みのやり取りと知られる「成仏してクレメンス」というネットスラングで追悼した。
また、がん治療・がん研究に寄付する動きも広がっている。とくに、国立がん研究センター基金に寄付したという声が見られた。複数の医療機関をグーグルトレンドで比較すると、19日ごろから動向が大きく変化している。
国立がん研究センター広報企画室の担当者は22日、寄付件数が増加していると取材に説明する一方、具体的な件数や金額は「お答えを差し控えさせていただきます」とした。
今回の寄付については、「国立がん研究センター基金を通じて、がんの調査、研究及び技術の開発ならびにこれらの業務に密接に関連する医療の提供、診療体制の整備、患者支援、若手研究者の育成などに活用させていただきます」と述べた。
なお、国立がん研究センター基金のウェブサイトに記載されている「寄付金の活用報告」では、寄付金の使用用途は公表しているという。