退職代行サービス「退職代行モームリ」を運営するアルバトロス(東京都品川区)が弁護士法違反の疑いで警視庁に家宅捜索されたという報道を受け、退職代行の「元祖」として知られる「EXIT」に依頼が殺到している。
運営会社EXITの代表を務める新野俊幸氏は2025年10月23日、「今回の件で、業界全体に疑いの目をもたれてしまったことは、退職代行を発明した身として、誠に遺憾でございます」と取材に心境を語った。
通常時に比べて3倍以上の問い合わせ
複数の報道によれば、警視庁は2025年10月22日、アルバトロス本社のほか、都内の法律事務所など複数の関係先を家宅捜索した。弁護士資格がないにもかかわらず、退職希望者を弁護士に報酬目的で紹介した疑いがあると報じられている。
こうした中、退職代行サービス「EXIT」運営会社の代表を務める新野氏のX投稿が注目を集めた。アルバトロスの代わりに同社が「特別価格」で退職代行を行うと発信し、さらにはアルバトロスの社員が仕事を失うことになれば、「弊社で雇います」と宣言したためだ。
この「EXIT」は、退職代行サービスの元祖で知られる。新野氏への取材によれば、会社を設立した18年以前から個人事業として行っていたという。一方で、「退職代行モームリ」は22年3月から開始している。
新野氏は23日、通常時に比べて3倍以上の問い合わせがあると取材に説明。また、今回の報道が出た22日から31日まで、退職希望者全員に対し、特別価格1万5000円で依頼を受けつける予定だという。なお通常価格は2万円だ。
今回の報道を受け、新野氏は、「モームリさんについては弁護士法に違反している疑いがある以上、サービス提供の継続は難しいのではないかと思います」とみている。
また、「ただでさえ怪しいと思われがちな業界ですので、弊社は弁護士法の遵守を徹底してきました。今回の件で、業界全体に疑いの目をもたれてしまったことは、退職代行を発明した身として、誠に遺憾でございます」と心境を明かしている。