日本航空(JAL)は羽田空港に設けている格納庫などの見学施設「JAL SKY MUSEUM」を2025年11月1日、4年ぶりにリニューアルする。展示の一部が新しくなるほか、夕方の「トワイライト枠」が復活するなど、見学枠が増えるのが柱。
大人1000円の入場料を徴収するが、それでもほぼ「満員御礼」状態。JALでは、予約受付が始まる直後に申し込み用ウェブサイトを確認するように勧めている。
上下セパレートタイプの和服、1960年代に配っていた裁縫道具などが登場
JAL SKY MUSEUM は、東京モノレールの新整備場駅のすぐ前の建物にあり、13年にオープン。これまでに累計で100万人以上が見学した。
今回のリニューアルでは、受付前の空間が広がったほか、展示エリアに無料のロッカーを117個設置し、できるだけ多くの人に手ぶらで見学できるようにした。
過去の資料を展示する「アーカイブズゾーン」では、過去に国際線のファーストクラスやビジネスクラスで配っていたアメニティキット、渡航先のシティガイド、扇子などを新たに展示。アメニティキットの中には、1960年代にファーストクラスで配られていたという裁縫道具もある。今は保安上の理由で機内に持ち込むことができない道具だ。
JALの国際線では54年から90年まで、客室乗務員(CA)が着物を着てサービスすることもあった。歴代制服展示コーナーでは、70年代以降に登場した上下セパレートタイプの和服が新たに登場した。
今後の取り組みを展示する「フューチャーゾーン」では、ドローンや空飛ぶクルマの映像を追加した。
日没時の飛行機撮影楽しめる「トワイライト枠」も
見学時間が長くなり、見学枠が増えたのも特徴だ。10月までは、ミュージアムエリア60分→格納庫見学50分の110分コースだったが、11月からは、その後にミュージアムエリア見学の時間を20分追加して全130分に。最初に見られなかった展示を改めて見たり、お土産を買ったりする時間にあててもらう。
10月までは水・金が定休日で、見学できる時間帯は3つだった。これが11月からは定休日が水曜日のみになり、時間帯も5つに増える。そのうちのひとつが16時30分~18時40分の「トワイライト枠」で、日没時の見学や写真撮影を楽しめる。週に2~3回の実施を予定している。JAL広報部によると、この結果、1週間あたりの見学可能人数が最大で約400人増える。月あたりにすると、一般の見学者は約7000人から約8600人に増える。
入場料を設定したのもリニューアルのポイントだ。施設の維持費はJALが負担し、入場料収入は、未公開資料の追加やデータ類のデジタル化推進・保全、新コンテンツの導入などにあてるとしている。
この1000円という価格設定は、「他社さまの事例なども参考とさせていただきながら、社会貢献活動の一環としての活動である点も鑑みて社内で議論」して決めたという。12歳以下の子どもは、「空育」という次世代育成プログラムの一環でもあるとして、引き続き無料だ。小学生未満は入場できない。
以前から有料のライフベスト体験コース(1500円)、STEAM SCHOOL(同)、機内食&FUJI号プレミアムコース(8000円)は料金を据え置く。株主やJALカード会員向けの無料の見学枠については、11月以降も同じ運用を予定している。
ただ、見学枠拡大と入場料設定でも予約は至難の業だ。予約は1か月前の9時30分から受け付ける。つまり、12月1日の見学分は、11月1日9時30分から受付が始まる。予約は1か月先までほとんどいっぱいになっており、JALでは
「大変ありがたいことに現在も予約開始直後にたくさんのご予約をいただいております。予約オープンの9:30に合わせて確認いただくことをおすすめいたします」
と呼びかけている。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)