大根とこんにゃくの値段が落ち着いている
その一方で、おでんの主役である大根は、10月から値段が落ち着きつつある。東京都中央卸売市場での卸売価格は9月に1キロ当たり160円台と高かったが、10月28日時点で96円前後に下がった。これは2024年同期より2割近く安く、家計にとってはありがたい。農水省は「北海道産は夏の高温による生育不良から回復傾向にあり、千葉県産の出荷が増加する」とみている。
こんにゃくも使いやすそうだ。一部のこんにゃく製品メーカーが値上げしたものの、農水省は「板こんにゃくの小売価格は、直近10年間では横ばいで推移している」と2025年7月公表の資料で述べている。
こうしてみると、おでんは値上げ時代にあっても、具材の工夫で食卓に寄り添う「庶民の味方」であり続けている。味がしっかりしみ込んだ「二日目のおでん」の大根や玉子もおいしく、満足感を高めてくれそうだ。
(ジャーナリスト 橋本聡)