「少なくとも現在の倍にしたり、日当制にしたり...」
そんな中でのハンター活動だけに、ジビエ職人さんは、市などの出動要請に伴って支払われる報酬額に疑問を呈した。
「ハンターの高齢化が進んで、次々に辞めていっています。次の世代は、時間的・経済的に余裕があってボランティア活動ができた前の世代とは違います。みな仕事を持っており、ボランティアですぐに来てほしいと言ってもできるかどうか。時給1500円でやります、という人はいなくなるのではないかと危惧しています」
ハンターが出動する基準としてその対価は重要だとし、少なくとも現在の倍にしたり、日当制にしたりするなど、待遇は改善すべきだと指摘した。
クマ対応に当たる長野県内のある市の担当課は10月31日、取材に対し、ハンターの出動に対しては、時給1500円を支払っていると答えた。
「長野では、冬の狩猟期以外は、勝手に猟銃で撃つことはできません。県が許可して、罠の設置や止め刺しに対して、緊急対応の賃金として報酬を支払っています。それだけではなく、パトロールをしたり、クマを追い払ったりする出動も対象です」
報酬は、弾薬代などの経費込みとして支払っており、猟銃で撃つことを認めていないため報奨金もないという。
「ハンターの方が赤字になりかねないので、燃料費・弾薬代が高騰するようでしたら、来年度以降に見直していきます。ご意見を元にして、適正な報酬額になるよう検討します。緊急銃猟は未実施ですが、危険性が高いので、別の仕組みにしたいと思っています。状況を確認しながら、何が一番いいのかを考えていきます」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)