社民党、離党意向の新垣邦男衆院議員を「慰留」 「ブラック体質」指摘の離党届返送、福島党首の理屈とは

   社民党の福島瑞穂党首が2025年11月5日、国会で常任理事会を開き、副党首で沖縄2区選出の新垣邦男氏を慰留すると報告した。

   新垣氏が10月31日付で郵送していた離党届については、党規約に沿っていないとして返送する方針を示した。

  • 社民党の福島瑞穂党首(2016年撮影)
    社民党の福島瑞穂党首(2016年撮影)
  • 福島瑞穂党首の会見。離党届はなぜ返送されたのか(写真は社民党のXから)
    福島瑞穂党首の会見。離党届はなぜ返送されたのか(写真は社民党のXから)
  • 社民党の福島瑞穂党首(2016年撮影)
  • 福島瑞穂党首の会見。離党届はなぜ返送されたのか(写真は社民党のXから)

「離党の手続きは、(正式な手順を)経てないというか...」

   新垣氏は11月2日、沖縄県宜野湾市の事務所で会見を開き、離党の意向を固めたことを報告した。

   新垣氏は党に対し、福島党首の衆院への鞍替えなど、党勢の拡大に向けた提案をしてきたが、「これ以上1人では厳しく、党勢拡大を提案したが、思うようにいかなかった」とした。

   離党届を郵送した理由についても説明。9月末に福島氏の元を訪れ離党届を提出したものの受け取りを拒否され、その後幹事長に提出。しかし、そこでも離党届を受け取ってもらえなかったとして郵送をしたという。

   一方、時事通信の報道によると、福島氏は5日の協議で、新垣氏が所属する党沖縄県連合を中心として慰留も含めて努力していくと主張した。

   同日の記者会見では、新垣氏が離党を決めたことについて、「本当に残念です。一緒に沖縄の問題、基地の問題に関して戦ってきて、離党ということの記者会見は本当に残念です」と話した。

   その上で、「ちょっと形式的なことですみませんが」と前置きしつつ、同党での離党届の取り扱いについても説明した。

「(離党届は)県連で説明して県連に出して、(県連が)了承して全国連合に来るという形なので。この(新垣氏の)離党の手続きは、(正式な手順を)経ていないというか」「その手続きが必要であるという風に思っております」

「スタンダアップコメディみたいなことも始めました」

   さらに、衆院への鞍替えを求める新垣氏の訴えについても「話し合いやいろんなことを聞いたりしてきましたけれども、離党の理由が私も幹事長も他の人も、実はよくわからないという状況です」という。

   「党勢拡大ということであれば、『こういう形で党勢拡大しましょうよ。(新垣氏は)副党首だから、こういう形でやりましょうよ』(と方針を示すべき)」とし、「全国で、ブロックでの講演会、スタンダアップコメディみたいなことも始めました」と具体例を挙げた。

   社民党では9月以降、お笑いタレントのラサール石井参院議員を中心として、マイクを片手に笑いをとる「スタンダップコメディ」を取り入れた政治イベントを開催。福島氏も初となるお笑いに挑戦している。

   福島氏は沖縄での展開や、政治スクールの開催を通した自治体議員や国会議員の予定候補者の募集をするなどの提案をしてきた上で「実際それを一部実行してますし、今後も実行する予定です」と努力を続けてきたと主張した。

   こうした上で、新垣氏の離党について「党勢拡大っていうことであればいろんな形が あるのになぜ? っていうのでですね......正直、分からないというのが正直なところです」と首をひねった。

   SNSでは、離党届を受け取らない社民党側の対応について、困惑の声が上がった。

「離党届の返送って初めて見たわ。いまこそモームリの出番やろ」
「『ブラック企業根絶』を掲げていた社民党自身が生粋のブラック体質だったでござるの巻」
「社民党『ブラック企業を根絶します!』 私『「辞めたがってる人の離党届を受理しない」だなんて、社民党こそブラック企業そのものじゃないですか』」
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