非ファッション事業が会社を支える収益の柱に
好業績の鍵を握るのが、両社が積極的に進めている事業の多角化だ。特にAOKIHDは売上高の約半分を非ファッション事業が占めるまでに成長しており、ファッション事業への依存度を大きく下げることに成功している。
AOKIHDの非ファッション事業の中核となっているのが、複合カフェ「快活CLUB」、カラオケ「コート・ダジュール」、24時間営業のフィットネスジム「FiT24」だ。
特に快活CLUBは全国に495店舗(25年9月現在)を展開し、インターネットカフェ業界トップのシェアを誇る。鍵付き完全個室や室内アミューズメント需要の高まりを捉え、客数・客単価ともに堅調に推移しているが、AOKIHDが手掛ける事業であるということ自体、あまり知られていないのではないか。
青山商事も同様に、非ファッション事業の成長に力を入れている。子会社のglobを通じて、焼肉店「焼肉きんぐ」、寿司・しゃぶしゃぶ店「ゆず庵」、リユースショップ「セカンドストリート」などのフランチャイジー事業を展開。さらに、フィットネス事業では「エニタイムフィットネス」のフランチャイズ店を運営している。
両社に共通しているのは、ファッション販売店事業で培ったリアル店舗の企画・開店・運営ノウハウを強みとして、着実に多角化を進めている点だ。特にAOKIHDは店舗の余剰スペースを活用し、既存インフラを最大限に生かした事業展開を行っている。