日本航空(JAL)は2025年11月13日、客室乗務員(CA)と空港スタッフがスニーカーを履いて業務できるようにしたと発表した。選択の幅を広げ、働きやすい環境を目指す。航空会社の中では、スカイマーク、JAL傘下の格安航空会社(LCC)のZIPAIR(ジップエア)、ANAホールディングス(HD)傘下の「AirJapan」(エアージャパン)などがすでにスニーカーを解禁しており、大手2社ではJALが先行した。約1万4000人が対象、「スリッポン」も解禁スニーカー解禁は、社員から「靴の選択肢を増やしてほしい」「制服着用時にも靴を着たい」といった要望があったことがきっかけで、JAL担当者は「長時間の立ち仕事や長い距離を歩くこともあり、スニーカーを選べるようになったことで選択の幅が広がり、より働きやすい環境になったのでは」などと説明。会社側の「多様な人材に活躍していただく」という背景も解禁を後押しした。対象になるのは、JALグループ6社のCAと国内56空港・海外40空港の旅客サービススタッフ、約1万4000人。これまでは、革靴やヒール、パンプスを履いていたが、スニーカーも選べるようになった。ひもや金具がなく、足を滑り込ませるだけで履ける「スリッポン」も解禁された。「黒色でシンプルなデザイン」が条件「自分の足に合ったものを選ぶ」という観点から、自前で調達した私物を履くという点は、これまでと変わらない。スニーカーは「制服になじむデザイン」だという点が条件で、「黒色でシンプルなデザイン」のものを求めている。厚底もNGだ。つまずく可能性があるうえ、座席の上にある荷物棚を開けるときに使うフットステップ(足かけ)に、足が入らなくなるためだ。羽田空港で行われた記者発表会では、カートを動かしたり、フットステップに足をかけたりする様子をスニーカー姿のCAが実演。男性CAは、カートを前にしゃがんだり立ったりする際に(革靴に比べて)「非常に動きやすい」として、「特に長距離フライトで履きたい」と話した。一方、女性CAは、国内線フライトは荷物棚を開ける機会が多く「とてもスニーカーは有効」だと説明した。(J-CASTニュース編集委員兼副編集長工藤博司)
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