テレビドラマや書籍などによく扱われるようになった熟年離婚問題。2015年11月14日の情報番組「ノンストップ!」(フジテレビ系)は、エッセイストの安藤和津さんが自身の離婚危機についても語り、問題はどこにあるかを探った。
カンニング竹山さん「『なぜ気がつかない』と何年も怒られている」
夫婦問題カウンセラーの高草木陽光さんが「以前は借金や浮気など誰が聞いても大きな問題をきっかけに離婚する人が多かったが、最近は毎日の積み重なる不満や不安をきっかけに離婚を決意する人が増えている」という現状分析を紹介する。俳優の奥田瑛二さんを夫にもつエッセイストの安藤和津さんが「本当に小さいことの積み重ねでうちの場合はホウレンソウ(報告、連絡、相談)がない。生活がどうやって回っているか男の人は本当に考えていない」と夫婦間のズレについて語った。
MCの設楽統さんに話をふられたお笑いタレントのカンニング竹山さん。「俺にふらないでほしい」と苦笑いしながら、「(積み重ねの意味で)もうミルフィーユ状態で、『なぜ気がつかない』と何年も怒られている」と打ち明けた。
元婦人公論編集長の三木哲男さんがこの話を受けて「離婚数の中で熟年離婚は増加傾向にある。老後を考えると年金問題や物価高などちっとも明るくない。おそらく熟年離婚はこれからも増えていくし、いろんな方が直面する問題だと思う」と見通しを話した。
ご飯ジャーのスイッチ一つ押してくれただけでもありがたい
熟年離婚をテーマにしたテレビドラマ「小さい頃は、神様がいて」(フジテレビ系)の一場面が紹介された。育児に追われて疲弊した妻に、全く手伝わなかった夫が謝罪の意味も込めてデパートからホールケーキを買って来る。これを妻が失望するシーン。19年前のできごとを回想して、離婚を決意した妻は思う。
「大変さを一緒に感じてほしかった。一刻も早く」
VTRを見た安藤さんは「もう、うなずいて見ていた。男の人って見ていないんだなと思う。(育児は)猫の手も借りたいのに、ご飯ジャーのスイッチを押してくれるだけでもありがたい」と怒る。
設楽さんは三木さんに「怒られてますよ」と体を小さくして話した。三木さんは「女性は(日常生活の)小さな不満や不安がマグマのようにためにためて活火山のようになっている」という。
不満や不安がミルフィーユ(積み重ね)状態になる前にまずは「ホウレンソウ」を励行すべきなのか。噴火しない前に。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)