過熱する日中空中戦、台湾与党も日本語で「テンプレ祭り」参戦 中国外務省は「新色」投入、また「おもちゃ」に

   中国の薛剣(せつけん)駐大阪総領事による過激なX投稿を発端に、日中間の緊張感が高まる中、SNSでは中国政府による日本を批判する投稿を日本のユーザーが「パロディ」して応戦するなど、空中戦が続いている。

   2025年11月18日には、台湾の与党・民主進歩党(民進党)の公式Xも「参戦」。注目を集めている。

  • 台湾の与党、民進党のポスト。頼清徳総統のメッセージを日本語で発信している
    台湾の与党、民進党のポスト。頼清徳総統のメッセージを日本語で発信している
  • 中国外務省・毛寧報道局長のポスト。カラーバリエーションが増えている
    中国外務省・毛寧報道局長のポスト。カラーバリエーションが増えている
  • 台湾の与党、民進党のポスト。頼清徳総統のメッセージを日本語で発信している
  • 中国外務省・毛寧報道局長のポスト。カラーバリエーションが増えている

駐大阪総領事「斬首」投稿が発火源

   ネット上の発火源は、中国の薛氏が高市早苗首相の台湾有事をめぐる国会答弁について、「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟が出来ているのか」(原文ママ・以下同)と投稿したことだった。

   薛氏は9日夕方までに投稿を削除したが、その後も「中国内政への干渉、国家主権の損害、台湾両岸統一の妨害などは一切許さい」(原文ママ)などと主張。このほか、自身の主張を支持するような投稿をリポスト(拡散)し波紋を広げた。

   日中双方の外務省が抗議を行うなど、日中の外交関係は悪化している。

「大判焼外交部ジェネレーター」が大人気

   こうした中、中国国防省報道官や中国外交省報道官は、SNSで日本語の「警告」文章を発信している。

   人民解放軍の公式Xは青い背景に白文字のフォーマット、中国外務省報道官(CHINA MFA Spokesperson)公式Xは赤と黒のグラデーション背景に、白とオレンジ色の文字を組み合わせたフォーマットを使用し、強い言葉で主張を続けている。

   一方で、日本のユーザーらはこれを「パロディ」し応酬。

   近代地歴の解説動画を投稿しているYoutuber・破綻国家研究所さんが15日、「例のアレ、ジェネレーターを作ってみた」として「大判焼外交部ジェネレーター」を公開すると、さらにこの流れは活発になった。誰でも簡単に「中国外交部報道官風」の画像を生成できるとして、複数のユーザーらが「ネタ投稿」を行っている。

   台湾の与党である民進党公式Xも18日、同系統のデザインを用いた投稿を行った。

   赤と黒のグラデーションの背景に白文字で「中国は大国としての責任を示し、地域の『トラブルメーカー』にならないように自制すべきだ」とつづり、署名には頼清徳総統の名前が添ええられている。画像上部のイラスト部分には民進党の頭文字・DPPのロゴをあしらい、中国外務省報道官による投稿を再現した。画像は、頼総統の17日の発言を伝えたものだ。

「11月19日のフォーマットの色は黒ですか?(笑)」

   中国外務省の毛寧報道局長も黙ってはいない。17日には、「日本の高市早苗首相による台湾に関する不当な発言は、日中四つの政治的文書の精神を深刻に損ない、日中関係の政治的基盤を根本的に侵食するものである」などと主張した。

   しかし、日本のユーザーからは内容ではなくその「背景」に注目が集まった。

   従来の投稿では赤と黒のグラデーション背景が使われていたが、新たな投稿では濃淡の異なる茶色を組み合わせた「新色」に変更されていたためだ。

   毛氏の投稿には、「秋の新色 始めました」「Ver.02か、もう少し 濃い目が好みだが まぁいいや」などとする反応が寄せられ、ジェネレーターも早速「新色」に対応した。

   さらに毛氏は19日の投稿で、黒とオレンジ色のグラデーションに、ざらざらした質感を加えた背景へとアップデート。

   投稿には「11月19日のフォーマットの色は黒ですか?(笑)」「それは『お前コレ絶対やれよ』って事の前振りで理解してええやんな?」などと茶化す声が上がった。

   18日深夜に発生した大規模障害の復旧直後の投稿だったことから、「Xが落ちてて 復旧するのを一生懸命待ってたんですね? 可愛いですね」などとする反応もあった。

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