美容外科「高須クリニック」院長の高須克弥氏が2025年11月19日、自身のXで、美容外科医が学生時代に行っていたクラウドファンディングを批判した。「アメリカで心臓血管外科学の研究をしたい!」この美容外科医は、大学医学部在籍時、医学生の海外留学費などを支援するプロジェクトに参加。「アメリカで心臓血管外科学の研究をしたい!世界一の心臓血管外科医になり、日本の医療をより発展させるために」との目標を掲げ、目標額50万円に対し58万2444円の支援を受けていた。その後、美容外科チェーンの院長に就任。プロフィールでは、美容医療を志した理由について「私自身も、美容医療によって人生が変わりました」「このような経験を通じて得た楽しさや自信を、皆様にもお届けしたいと考え、美容外科医を志しました。美容医療を通じて、皆様がより良い人生を歩むお手伝いができればと思います」などとつづっている。SNSでは、医学生時代のプロジェクト参加と美容外科への転向が取り沙汰され、議論が広がっていた。「あなたのような行為を放置すれば後世に悪い前例を作ります」高須氏は19日、この美容外科医に関する投稿を引用し「純情な支援者に詫びてクラウドファンディングで得たお金を返金しなさい」と厳しく批判した。「本当に心臓外科医を目指していたのなら、世界初の心臓移植を試みられた本物の一流心臓外科医だったクリスチャンバーナード先生すら、晩年は美容医療に参入し、詐欺師扱いされていたのをご存知のはずです。あなたのような行為を放置すれば後世に悪い前例を作ります」と訴え、「すぐに善処してくださるようお願いいたします」と呼びかけた。投稿末尾には、「日本美容外科医師会会長高須克弥」と署名している。高須氏が代表を務める日本美容外科医師会は、美容医学の推進と美容医療の質向上を目的として1997年に結成された団体だ。公式サイトでは、「美容医療を通じて医学の進歩と社会の福利に貢献していくこと」を掲げている。なお、美容外科分野には2つの「日本美容外科学会」もある。66年に発足した学会(JSAS)と、77年に発足した日本整容形成外科研究会を母体とした学会(JSAPS)だ。高須氏はいずれの団体にも所属している。「病人を対象としない美容外科は医療のデザートです」高須氏は別の投稿で、「純情な支援者を裏切るクラウドファンディング詐欺だと思います」と主張。「病んでいる方々を助けるのが医師の義務だと僕は思います。病人を対象としない美容外科は医療のデザートです。病める患者さんに対して立派な仕事ではありません。病める人から目を背け自分だけラクをして稼ごうとする医者はクズです」と批判した。この美容外科医をめぐっては、「そもそもこの50万円が当時目的に沿って利用されたのであれば、クラファンとしては成立しており、現在彼女が美容やってようが文句を言われる筋合いはないと思うのですが」などと援護する声もある。一方で、「美容に行ったからダメなんじゃ無いんですよね。ひとに出して貰って集めたお金何に使ったんだろう」「クラファンに出資した人達は美容外科に就職する為の資金に利用されたと憤慨しているかもしれない。でも大ごとになっているのは批判の本質が美容外科云々ではなくもっと根本的なことであることに御本人が気付いているかどうか...」など、厳しい見方も少なくない。
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