元伊東市長の田久保真紀氏は2025年11月19日、12月14日に行われる市長選に出馬する意向を示した。その会見のなかで、自身の学歴をめぐる騒動について、お詫びするとした一方で、注目を集めた点に関しては「伊東市は観光地でもありますので、前向きな機会としてしっかり捉えていくべき」と話す場面があった。実際に観光に関して影響があったのだろうか。伊豆急は取材に、「良い・悪いの影響等は特段ございません」とした。観光地協会は、「観光に行きたいがどのような状況か」といった問い合わせなどが数件あったと明かした。NHK党立花氏の発言にも言及「観光大使と言わず」田久保氏をめぐっては、市の広報誌に「東洋大学法学部卒業」と記載していたが、実際には除籍となっていたことが明らかになった。市議会ではこの問題に関し百条委員会を設置。田久保氏が「卒業証書」だとしているものの提出を求めていたが、田久保氏はこれを拒否した。その後、田久保氏は市議会による2度の不信任決議案を経て、10月31日に失職していた。田久保氏は出馬会見のなかで、自身の学歴をめぐる騒動に関して「いくらお詫びしてもお詫びしきれない」とした一方で、「ですが反面、伊東市というこの街が大変注目を浴びたと。その点に関しては、伊東市は観光地でもありますので、前向きな機会としてしっかり捉えていくべきだと、私はそのように思っております」と話した。さらに、市長選への出馬を表明した政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首が7日の会見で、自身が当選した際には「田久保さんに伊東の観光大使をやっていただければ」と名前を出したことにも言及。立花党首の具体的な名前は出さなかったものの、この発言を「ネットで拝見しました」とし、「観光大使と言わず、私自ら市長が、呼んでいただけるのでしたらどこの街でも出かけて、駅前でキャンペーンをしたり、それからこうしてカメラの前でもお話をさせていただく機会がありますので、ぜひぜひ伊東温泉に、皆さんに遊びに来ていただきたい」とアピールした。「伊東市」検索数は騒動以降増加だが...観光への影響は?田久保氏は市が注目を集めたことを「前向きな機会としてしっかり捉えていくべき」とした。実際、Googleトレンドによると、田久保氏の学歴騒動が注目された7月以降、「伊東市」の検索数は増えている。多い時にはそれ以前の2倍、3倍の時期もある。市が注目を集めたことは確かだ。しかし、これが観光に、しかも良い影響を与えたのだろうか。20日にJ-CASTニュースの取材に応じた伊東市観光協会の担当者は、田久保氏の騒動が注目されて以降、観光に関する問い合わせや訪れる観光客について、「劇的に増減したとは感じないです」と話した。一方で、「(伊東に)観光に行きたいがどのような状況か」という問い合わせや、「今そのような状況だと行きたくない」といった意見などが数件程度、観光協会に寄せられたという。また、伊豆急行提供のデータによると、市の観光地・伊豆高原にある伊豆高原駅の乗降人員数は、24年1月~9月の1日平均が、約2970人。25年の同平均が約3210人。前年比は約108%だ。前年より多いものの、どの月も満遍なく微増しており、田久保氏の騒動があった7月から急に増えているといったことはなかった。さらに、J-CASTニュースが伊豆急行に田久保氏の騒動による影響を尋ねたところ、伊豆急行は「一連の騒動に関連する、良い・悪いの影響等は特段ございません」と回答した。
記事に戻る