メタバースゲームの「ホロアース」、実在の人物を想起させるキャラで波紋 「意図した事実はございません」謝罪

   VTuber事務所「ホロライブプロダクション」を運営するカバー株式会社が2025年11月25日、バーチャル空間プロジェクト「ホロアース」内に実装されたキャラクターに「実在の人物を想起させる表現が含まれている」として、削除したことを報告した。

  • ホロアースのX(@Holoearth_JP)より
    ホロアースのX(@Holoearth_JP)より
  • バーチャル空間プロジェクト「ホロアース」(プレスリリースより)
    バーチャル空間プロジェクト「ホロアース」(プレスリリースより)
  • ホロアースのX(@Holoearth_JP)より
  • バーチャル空間プロジェクト「ホロアース」(プレスリリースより)

ゲーム内のノンプレイヤーキャラクター「コウゾーさん」

   「ホロアース」は、「アニメルックの世界観に没入できるメタバース」としてリリースされた仮想空間サービスだ。ユーザーは自分自身の分身となるキャラクターをカスタマイズし、理想の姿でメタバースでの生活を楽しむことができる。探検や建築、ショッピング、他のユーザーとのチャットなど、自由度の高い楽しみ方ができる。

   こうした中、SNSで波紋を広げたのは10月23日に実施されたアップデートで追加されたエリアに配置された「コウゾーさん」と名付けられたNPC(ノンプレイヤーキャラクター。ゲーム内に存在するモブキャラクター)だった。

   「コウゾーさん」は白いバケットハットをかぶりメガネをかけた男性のアバターで、白い半袖シャツにグレーのパンツを着用している。目元や口元には皺が寄り、やや後ろ重心の立ち姿で高齢者のように見える。SNSではゲーム内のスクリーンショットが拡散され、11人が死傷した池袋暴走事故で車を運転していた飯塚幸三元受刑者を想起させるのではないかとの指摘が上がった。

「結果として実在の方と類似する点が生じておりました」

   ホロアース公式Xは25日夕、「『ホロアース』Ver.1.1.0 アップデートにて追加されたエリア『フォーカル・スクエア』内のNPCにつきまして、実在の人物を想起させる表現が含まれていることが確認されました」と報告した。

   「当該キャラクターにつきましては、確認後ただちに削除対応を行っております」とした上で、「本件により、関係者の皆様およびユーザーの皆様にご不快な思いとご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます」と謝罪した。

   実装された経緯については、「当該キャラクターは、アバター表現の多様性を目的として、既存のファッションアイテムを用いて制作したものであり、制作過程において特定の人物を意図した事実はございません」と釈明した。

   「一方で、公開前の確認体制において不十分な点があり、外見・名称の設定において、結果として実在の方と類似する点が生じておりました」とし、今後の対策について「本件を受け、チェックフローの見直しおよび再発防止に向けた管理体制の強化を進め、より適切なサービス運営に努めてまいります」とした。

   SNSでは、「話してる内容からしても特定の人物を意図してるだろ」「意図的じゃないって言えば何でも許されると思ってんのかね??」など厳しい声が相次いでいる。

姉妹サイト