太陽フレアの活発化で飛行を制御するデータが破損する可能性があるとして、全日空(ANA)は2025年11月29日にエアバスA320、A321型機95便の運航を停止し、30日も6便が欠航になった。「今後ほかのトラブルにも注意が必要」と、天文マニアのジャーナリスト・柳澤秀夫氏(NHK元解説委員長)は呼びかけている。東北各地ではオーロラ観測太陽フレアとは太陽の表面で起こる爆発現象で、強い紫外線、X線、電波などの電磁波や素粒子を大量に放出し、地球に到達すると、通信障害や停電を引き起こし、本州でもオーロラが見えたりする。実際、11月12日には東北各地で観測された。柳澤氏はキャスターを担当する「サタデーステーション」(テレビ朝日系)の11月29日放送で、「太陽はおよそ11年周期で活発な時期と穏やかな時期を繰り返しているのですが、今はちょうど活発な時期が続いているんですね」と解説、「それによって、今回のようなトラブルだとか、GPSが狂ったり、発電所でトラブルが起きたりということがあるんです」という。過去には発電所がストップ、大停電にGPSが狂ったら、カーナビゲーションが正常に作動せず、交通事故が多発しそうだし、船舶の運航、土木工事現場にも支障が出る。何よりも心配なのは、誤情報で軍事作戦が展開されるなんてことにならないかということだろう。身近では、スマホの地図アプリが機能しない、ゴルフ場のセルフカートが動かないなんてことが起こるかもしれない。過去には発電所がストップして大停電になったこともある。柳澤氏は「ですから、今後、どういうトラブルが起きるか、まだまだ油断できませんし、今回のような旅客機のトラブルだけじゃなくて、他のこともあるかもしれないので、気を抜いてはいけないと思います」と心配そうだった。(シニアエディター関口一喜)
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