放っておくと心筋梗塞や脳梗塞にもつながりかねない歯周病の実態とそのケアについて、2025年12月4日の情報番組「ひるおび」(TBS系)が特集を組んだ。歯周病は歯と歯茎の間から侵入した細菌が歯肉に炎症を引き起こし、歯を支える骨を溶かしてしまう状態。異変に気づきにくく、静かなる病とも呼ばれている。特に女性はホルモンバランスの関係で男性よりも歯周病にかかるリスクが高いと報じられた。
なりやすい人は喫煙者、糖尿病の人、歯並びが悪い人
ゲスト出演した歯科医の照山裕子さんは「適切なオーラルケアで菌を棲み着かせない口の環境にできれば歯周病の進行を抑制できる」と説明した。歯周病になりやすい人の例として、磨き残しの多い人、喫煙者、糖尿病の人、歯並びが悪い人などを挙げた。
口の人間ドックとも言える歯科ドックの存在を紹介。番組のアナウンサーが、問診票の記入からレントゲン検査、口腔内検査などの体験をレポートする。歯の健康の関心は高まり「最近は50代、60代で受ける人も増えている」と話した。照山さんは「歯がたくさん残っている人のほうが医療費が少ないという国の調べでもわかっている」という。年齢に関係なく予防の大切さを唱えた。
ケアのポイントは「唾液」
照山さんが強調したのは「歯医者で歯をきれいにしても、ずさんなケアをしていると2~3日で元の状態に戻る」ということ。MCの恵俊彰さんが「昨日、(歯医者に)行きましたよ。ちょっと安心」と言いかけると、照山さんが「違います。(ケアを続けないと)元に戻ります」と話した。恵さんは「マジすか?ガク~」と頭をたれた。
ケアのポイントは「唾液」。照山さんは「口が乾燥すると唾液の自浄作用が低下して歯周病菌が増殖する。唾液腺を刺激して分泌を促すことが大事」と話し、家でもできるケアとして、耳下腺、顎下腺、舌下腺を指で軽くマッサージする方法を奨励した。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)