今オフの西武は一味違う。
DeNAから海外FA権を行使した桑原将志に続き、日本ハムから国内FA権を行使した石井一成の獲得が確実になったと2025年12月5日にスポーツ紙が報じた。
獲得が決まれば、同一年に2人のFA補強に成功するのは球団史上初。今季は3年連続Bクラスの5位に低迷し、350得点はリーグワースト。打線強化が最大の懸案事項だっただけに、両選手の獲得は大きなプラスアルファだ。
今井達也、高橋光成はポスティングでメジャー挑戦
過去の歴史を紐解くと、西武はFAで主力選手の流出に悩まされてきた。
18、19年にリーグ連覇するなど「山賊打線」と形容された破壊力抜群の打線を形成していたが、浅村栄斗(現・楽天)、森友哉(現・オリックス)、山川穂高(現・ソフトバンク)と、主軸が次々にパ・リーグの他球団に移籍。秋山翔吾(現・広島)も海外FA権を行使してメジャー挑戦し、得点力が一気に落ちた。
今オフは今井達也、高橋光成と投手陣を支えた両右腕がポスティングシステムでメジャー挑戦することが決まり、戦力補強が切実な課題だった。桑原、石井と上位球団から経験値のある選手を獲得できれば、上位打線でチャンスメークが期待される。
「2人が活躍すればFAの移籍先として、西武が魅力的な球団としてイメージが変わるでしょう。主力が他球団に流出してきた歴史がありますが、この流れを止める意味でもいい補強だと思います」(スポーツ紙デスク)
1980年代から90年代にかけて常勝軍団を築いた西武は、常に優勝争いに絡んできた。80年以降で4年連続Bクラスは一度のみと低迷期が短い球団で、来年は期する思いが強い。
昨年にDeNAで日本一の原動力になった桑原、新庄剛志監督の下で2年連続2位を経験した石井は西武の救世主になれるか。
(中町顕吾)