終活、墓じまいと同じように、シニア層にとっては無関心ではいられない生前整理について、2025年12月5日の情報番組「ノンストップ!」(フジテレビ系)が特集を組んだ。元気なうちにやっておくべきことは何なのかをテーマに、すでに生前整理を済ませたという俳優の秋野暢子さん(68)をゲストに迎えて話し合った。街の声では、女性のほうが比較的関心が高い生前整理は人生の終わりに備えて自分の持ち物、財産を整理すること。番組は冒頭で街の声を紹介した。「去年ぐらいから私の友人で亡くなる人が多く、(生前整理を)やろうかなと思うようになった」(60代女性)「母が亡くなった時に印鑑や家の権利書など全くわからず自分はそういうことを子どもにさせたくない」(60代女性)など、比較的女性の方が高い関心を示している。秋野さんは「生前整理をやってみて思ったのは、終活もそうだけど終わりに向かって進む作業ではなくて、次の人生を楽しむための準備だということ。旅行でも勉強でもやっていなかったことをもう一度気づかせてくれる」と話した。「生前整理って高齢になってやるのは当たり前なんだけどもうちょっと若いとき、中年期に入って人生が少し落ち着いた時にやってみると、自分の人生を振り返るきっかけになる」と生前整理には別の効用もあったという。スマホに入っているデータ「自分でも分からない」それでも、実際に手をつけるとなると大変なことも確かだ。1000件近く生前整理を行ってきた整理収納プランナーの中谷亜古さんによると、大掃除をする年末が生前整理の絶好のタイミングだという。生前整理しないと困る2大遺品として「持ち物などで形のある遺品」(不用品、保管品の区別が大変)、「口座やデータなど形のない遺品」(本人の意思がないと手続きできず面倒)を挙げた。元婦人公論編集長の三木哲男さんも何回か婦人公論で特集を組んだと話す。「非常に興味のあるテーマです。私の実の母も義理の母もきれい好きできっちり整頓していて(生前整理を)いつかやる、いつかやると言っているうちに、いい歳になった時にはどんどんモノがたまって、どれが不用品でどれが保管品かわからなくなった。また我々の世代はデータをスマホなどに入れているが、何が入っているか自分でもわからなくなっているのでその整理も大変」生前整理の難しさを語っていた。(ジャーナリスト 佐藤太郎)
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