300円均一を中心に展開する雑貨チェーン「3COINS」が、税込1万1000円の新商品2点を2025年12月1日に発売した。ブランド名が示す「300円」から大きく外れた価格の商品が登場したことに対し、SNS上では驚く声が上がっている。その新商品とは、「プロジェクター」と「2WAYサウンドバー」。そして前者は公式通販サイトで、発売日からわずか数日で「再入荷」の表示が出た。運営会社の広報も4日、「まだ数日ですが予想を上回る売上です」と取材に明かした。異例の取り組みの背景を詳しく聞いた。10年前に「300円均一」廃止されていたSNSで注目を集めたのは、3COINS公式Xアカウントが11月26日に投稿した新商品の告知だった。「プロジェクター」と「2WAYサウンドバー」をそれぞれ1万1000円で発売すると告知し、12月5日17時までに約140万回表示されるなど話題になった。これまで3COINSでは、300円均一からかけ離れた商品が続々と登場している。「コンパクトヒーター」(税込3520円)や「USB電気ブランケット」(税込3850円)、「ワイヤレスヘッドホン」(税込3300円)などだ。だが、ついに5桁台の価格の商品が登場し、SNS上では驚く声が一部から上がっている。だが1万円を超える商品を発売したのはこれが初めてではない。3COINSを運営するパルの広報は、原宿本店を含む3店舗で25年3月28日~4月4日、古着「M-51」を数量限定で扱っていたと明かす。もっと状態が良いものは税込3万6666円で販売していた。一方、今回の「プロジェクター」と「2WAYサウンドバー」は、全国の店舗で販売されているほか、通販サイトでも扱われている。ブランド名が示す「300円」から離れた1万円以上の商品を販売する理由は何か。広報によれば、そもそも15年に300円均一を廃止している。企画の幅を広げるためだ。20年にはイヤホンなどのスマホ関連グッズを扱う「3COINSDEVICE」を開始し、1500円以上のラインアップが増えたという。また店舗の大型化に伴い、新たなカテゴリーの開発も強化している。その上で、次のように説明した。「生活雑貨だけにとらわれず、世の中のニーズにあいそうであれば、まずは商品化してみるというブランドのスタイルです。3COINSでの価格からすると高価格帯ではありますが、市場での価格なども見極め金額を設定しております」つまり、1万円を超えること自体に狙いはなく、消費者の需要に合わせた商品開発を優先しているようだ。今回の商品に続けて12月22日には「タブレット」を発売する予定だという。18日に詳細を公開するとしている。広報は、「性別問わず幅広い年代のお客様に『3COINS』をご利用いただく為に、今後も幅広いジャンルのアイテムを展開できればと思っております」としている。
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