プロ野球中日、西武、阪神でプレーした野球解説者の田尾安志氏(71)が、2025年12月9日にユーチューブを更新し、現役ドラフトで阪神からロッテに移籍した阪神・井上広大外野手(24)について「本命が選ばれた」との見解を示した。「現役ドラフトは、やはり井上広大だった」現役ドラフトは、出場機会に恵まれない中堅選手の移籍活性化を狙いとして導入されたもので、22年オフに初めて実施された。第4回目となる今回は9日に行われ、12球団で12選手の移籍が決まった。大阪・履正社高校出身の井上は、19年ドラフト会議で阪神から2位指名され入団した。高校時代は通算49本塁打を記録し、大型外野手として期待された。ルーキーイヤーの20年は、シーズン終盤の10月15日に1軍デビューを飾り、計6試合に出場した。2年目以降も1軍に定着することなく、最多出場は24年の23試合で、打率.212、3本塁打、8打点を記録。今シーズンは、わずか1試合の出場にとどまった。野球解説者として井上を追ってきた田尾氏は、「毎年期待されながら1軍での結果が伴わないという選手だった」と評し、「このチャンネルの中でも、『現役ドラフトは井上広大ではないか』という方がおられて、僕もそういうふうに思っていた。やはり井上広大だったのだなと。本命が選ばれた気がします」と率直に語った。「見逃し三振の印象が強かった」「1歩目が遅い」阪神のOBであり、楽天では監督を務めた経験がある田尾氏。首脳陣から期待されながらも1軍で結果を残せなかった井上の6年間を、監督目線で分析した。「井上選手は24歳。プロ通算106打数、20安打、3本塁打、2盗塁。出塁率は2割2分5厘で低い。OPS(出塁率と長打率を合わせた数字)は.565で.600いかない。そして、三振率が4割2分3厘ある。今年は特に見逃し三振の印象が強かった。そういうところは、ベンチにいる首脳陣、監督からすると、物足りなさを感じたと思う」そして、守備での課題にも言及。外野手の井上は、1軍通算30試合で守備につき、失策1を記録した。以前から井上に守備に課題を感じていたという田尾氏は「1歩目が遅い」とし、次のように持論を展開した。「これは、意識すれば治ることなので、もうちょっと1歩目に集中してほしかった。僕が(解説者として)球場に行って、井上広大選手が出た時、『1歩目がどうかな』と毎回見ていたが、やっぱり遅い。あれでは1軍のレベルについていけない。この辺りを改善してくれるコーチが、ロッテにいてほしい」ロッテ移籍が決まった井上は、阪神の球団公式サイトを通じて、「阪神に入団し6年、球団関係者の方々には感謝しかありません。阪神の選手として思うように結果は残せませんでしたが、沢山のファンの方からの温かいご声援、そして初ホームランを打った時のあの声援は今でも忘れられません」などのコメントを発表した。
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