演劇専用劇場「博多座」(福岡市博多区)が2025年12月15日、チケット高額転売行為をめぐる対応をXで明らかにした。発信者情報開示請求の手続きを行ったとの発表に、SNSでは支持の声が寄せられている。「定価を大幅に超える価格で出品されている事実を確認」博多座はウェブサイトで「チケット高額転売行為に対する博多座の取り組みについて」と題した声明を公開。「当劇場で取り扱う公演チケットが、一部の転売サイトにおいて、定価を大幅に超える価格で出品されている事実を確認いたしました」とした上で、チケットの高額転売について「これらの出品は、正規の販売ルートを通じてご購入いただくお客様のご迷惑となるほか、公演運営に支障を生じさせるおそれがあり、当劇場として看過できるものではありません」と説明。「このため弊社は、該当出品の投稿者を特定する目的で、弁護士を通じ、発信者情報開示請求の手続きを実施いたしました」とした。今後については「開示された情報に基づき、当劇場の利用規約に反する行為が確認された場合には、必要かつ適切な措置を講じてまいります」としている。「ご入場をお断りする場合がございます」こうした背景から、来場時に本人確認を実施する場合があるとし、「ご来場の際は、本人確認書類(身分証明書)をご携帯くださいますようお願い申し上げます」とも呼びかけ。「転売によって取得されたチケットにつきましては、ご入場をお断りする場合がございます。正規販売窓口以外で購入されたチケットに起因するトラブルについては、弊社では責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください」としている。SNSでは、「博多座、すごい この先頭切る行動で、異常な高額転売の常態化が消滅しますように 売る方も悪いけど、異常な高額で買う人がいるのも良くない、需要があるから供給が発生する」「『高額転売が違法』であるからこのような取り組みこそが正義で正解 そして、リセールなどを整えて、定価譲渡の正当性を有効にしてもらえると、観劇の裾野はもっと広がっていくと思うな」など、毅然とした対応に支持の声が上がっている。STARTO社や「大花火大会」でも開示請求チケットの高額転売をめぐっては、19年6月14日に「チケット不正転売禁止法(特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律)」が施行された。これにより、「特定興行入場券(チケット)を不正転売すること」と「特定興行入場券(チケット)の不正転売を目的として、特定興行入場券を譲り受けること」が禁止された。購入側に罰則はないものの、政府広報オンラインでは、購入者本人でないため入場できない・金銭トラブルに巻き込まれる恐れがあるといったリスクを挙げ、正規の方法で購入するよう呼びかけを行っている。これを受け、STARTOENTERTAINMENT社も24年に発信者情報開示請求を行っている。25年8月には、新潟県で開催された花火大会「長岡まつり大花火大会」の高額転売をめぐり、情報開示請求が行われていた。
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