受験本番を目前にした子どもが受けている受験塾と突然連絡がとれなくなったら――。想像もしたくないような悪夢が実際に起きている。2025年12月16日の情報番組「サン!シャイン」(フジテレビ系)は面接や小論文など「総合型選抜・推薦入試」に特化した大学受験塾「SS義塾」と突然連絡が取れなくなっているトラブルを取り上げた。塾の運営会社社長「実務運営を委託していた中心人物が」番組のディレクターがSS義塾の運営会社の所在地に行ってみると郵便受けには「投函禁止」の張り紙が張ってあり、関係者には取材できなかった。インタビューした受験生の保護者によると「12月6日の授業を最後に突然連絡がとれなくなった」「入会金と授業料あわせて30万円支払った。7日に息子が『(塾から)連絡が来ない』と言い始め、7回受講しただけであとは連絡がとれなくなった」というもので、生徒や保護者に動揺が広がっている。塾の運営会社社長に事情を聞くと、メールで「実務運営を委託していた中心人物が事業資金を全額不正出金し営業、経理、一部講師を抱き込み塾運営を機能不全におとしいれて逃亡した」と回答して来たという。それにかみついたのがコメンテーターの鈴木おさむさんだ。「新手の詐欺、かどうかはわからないですが、友人の子どもが受験していて医者になりたいそうなんです。今風邪がはやっているので家族を大阪に行かせたりするぐらい、この時期にかけているんですよ。それを見ていると、この時期にこんなことが起きるのは許せない」と憤懣やるかたない。「教育は投資と同じように慎重に」予備校講師の経験もある社会構想大学院大学教授の廣政愁一さんは、「教育は投資と同じように慎重になって実態がどうなのか考えなければいけないが、オンライン授業を柱にした業者はここだけでなくいろんな業者が出てきている」と受験生を抱える家庭に注意を促した。受験生を持つ家族の苦労を間近で見てきた鈴木さんは怒りがおさまらない。運営会社社長のコメントについても「おかしいじゃないですか。明らかに違法なことを文言(コメント)であげているのに」と話し、一方的に連絡を断ち切られた家族の心情を慮っていた。(ジャーナリスト 佐藤太郎)
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