「興味がないのに歌えって」「いつダメになるのかなと」 デビュー56年、前川清さんが持ち続けてきた恐怖心

   「長崎は今日も雨だった」「東京砂漠」など数々のヒット曲がある歌手の前川清さん(77)のディナーショーの舞台裏に2025年12月16日放送の情報番組「ノンストップ!」(TBS系)が密着取材、デビューして56年間歌い続ける思いを探った。

  • デビューして56年、前川清さんが歌い続けるワケ
    デビューして56年、前川清さんが歌い続けるワケ
  • 前川清さんのインスタグラム(@maekiyoinsta)より
    前川清さんのインスタグラム(@maekiyoinsta)より
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長渕剛さんと矢沢永吉さんの曲を披露

   前川さんは1969年、内山田洋とクール・ファイブのリードボーカルとしてデビュー。1987年にはグループを脱退してソロ活動に入った。番組はディナーショーのリハーサルや本番にも密着、インタビューを交えながら前川さんの芸能生活の軌跡を振り返る。

   前川さんはクール・ファイブ時代について「バンドボーイとして入って、そこで『歌え』と言われたから歌った。興味がないのに歌えって言われたので歌ったのが今までずっと続いているという感じ」と振り返った。

   「別に好きでもなかった。でも適当(に歌うわけ)じゃない。やっぱり食うためだから、(歌が)好きな人より一所懸命に歌ってますよ」という。

   リハーサルも座席の位置に関係なく、なるべく観客にいい音が届くようにと音響にもこだわる。「歌には自信ないけれども、音のバランスはめちゃくちゃ自信がある。本当はスタッフに任せておけばいいんですが、その部分だけはダメなんですよね」。ディナーショー本番では初めてという長渕剛さんと矢沢永吉さんの曲を披露してステージで躍動する。会場には、プロレスラーの天龍源一郎さんや落語家の三遊亭好楽さんが観にきていた。

「本音を少し隠しているような気がする」

   好楽さんが感心する。「あんなに(会場を)回る?ぐるぐる回ってお客さんに写真撮ってもらって。あれは普通の歌手ではできないですよ」

「自分はどうしてここまで来られたのか。やっぱり自分がいつダメになるのかなという恐怖心があったからよかったのか。自信がなかったからこそここまで来られたのかな」

   前川さんは感慨深そうに語った。

   MCの設楽統さんは「歌はそんなに好きじゃなく、仕事だから歌うと言っている割には(ディナーショーで)あれだけお客さんのところに行って精力的にお客さんを大事にしている姿をみる、と本音を少し隠しているような気がする。(本当は)歌が好きで(歌手活動が続いてきたことは)素敵なこと」と話していた。

(ジャーナリスト 佐藤太郎)

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