テレビ局の撮影中止で材料が大量に余ったとして、札幌市内の人気ラーメン店がXで来客を呼びかけ、反響を呼んでいる。この店は、揚げた豚バラ肉「ぱいくぅ」を使ったラーメンで知られる「銀波露」の札幌手稲店だ。「飲食店の人間として食材の事を考えてくれって言いたい」「捨てるのは嫌なのでお願いします」。店は2025年12月14日、X上でこう呼びかけた。「明日には全て使い切りたいのでお時間があれば銀波露手稲店でお食事していただけませんか?」投稿によると、5年前に発売されて話題になった5キロのデカ盛りラーメンについて、この日、あるテレビ局が撮影する予定だったが、連絡がないまま営業時間が終わってしまったという。テレビ局からは、「2~8キロのラーメンをお願いします」などと言われ、8キロの材料を用意していたという。この投稿は、大きな反響を呼び、9万件以上の「いいね」が集まった。「忙しい中で銀波露手稲店を見つけてくれたりアポ取ってくれたりは嬉しかったんですけどね食材があるので皆様にお願いせざるを得ない状況になりました」リプライでどこのテレビ局か聞かれると、店の不利になりかねないとして、「今後も名前は書く事はないのでご了承ください」と理解を求めた。店の店長は、撮影がなかったことについて、「かなり悔しいです」と自らのXで明かし、こう訴えた。「テレビだもん。忙しいのはわかる。しかも雪も多かったし。ただ俺は飲食店の人間として食材の事を考えてくれって言いたい」店を訪れる客に対しては、「天気悪いみたいなので無理せずでお願いします!お気持ちだけでも嬉しいです」と呼びかけた。「お客様のおかげでロスがなく全て使い切る事ができました!」こうした呼びかけは、大きな反響を集め、呼びかけた翌日の12月15日には、店の苦境を知った客らが続々訪れて、材料を使い切ることができたという。「オープン前から並んでくださったお客様、たくさんお越しくださったお客様のおかげでロスがなく全て使い切る事ができました!」店は、X上でこう報告し、続いて、麺もすべてなくなったため、一時閉店すると告げた。しかし、すぐに店を再開し、来店協力のおかげでフードロスを回避できたとして、「貴重な一食を銀波露手稲店で食事してくださったお客様本当にありがとうございました。たくさんの温かい言葉、優しさに包まれた一日となりました」と感謝の思いを伝えた。「銀波露」札幌手稲店の店長は16日、J-CASTニュースの取材に対し、こう答えた。「テレビ局からは、まだ連絡がなく、何も聞いていません。麺が売り切れるほどお店が混んでいましたので、問い合わせなどの対応もできていない状況です。なぜ連絡がなかったのか理由は分かりませんが、相手の方も人ですので、責めるつもりはありません。材料の生肉を早くなくしたかったので、今回来店を呼びかけました」(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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