元格闘家のエンセン井上氏(58)が、2025年12月17日にユーチューブを更新し、格闘技イベント「BreakingDown18」(ブレイキングダウン=BD)の会見で起きた「くも膜下出血」事件について自身の見解を示した。
会見で不意打ちビンタを食らい失神
事件が起きたのは、13日に行われた前日会見だ。
14日に行われた「BreakingDown18」に出場を予定していた「北海道喧嘩自慢」やるべしたら竜が、対戦相手の「千葉喧嘩自慢」江口響と対面した際に、不意打ちビンタを食らい失神した。
頭を床に強打した竜は、失神した状態で足が痙攣(けいれん)。その後、竜の意識は回復したが、ダメージを考慮して14日の試合は中止となった。
大会後の15日に事態が急変。竜は自身のXを更新し、病院で検査を受けた結果、くも膜下出血により脳内に出血が認められたことを報告。翌日16日に更新したXでは、退院したことを明かした。
井上氏は、「BreakingDown18」のオーディションで「叛逆の悪童」レオに不意打ちを食らい、いきなり後頭部を殴打された「被害」にあっただけに、今回の事件には感じるものがあったようだ。
井上氏は「後頭部は大変」と切り出し、次のように持論を展開した。
「だからこそ、レオが俺の後頭部を思い切り殴ったのは...今回よりもひどくはないが俺は58歳。人それぞれだが、58歳が後頭部を殴られるとよくない。俺は何もダメージがなかったからよかったが、竜選手が心配。俺の弟子も頭の中で出血した経験がある。試合中にいっぱい頭を殴られて、家に帰ったら頭痛がひどくなった。病院に行って死にかけた。それで引退した」
「竜選手は格闘技人生終わった」
そして、こう続けた。
「どんな団体でもドクターチェックで、頭の中で出血した選手を試合に出さない。だから竜選手は格闘技人生終わった。『ブレイキングダウン19』の出場は絶対に無理。頭の中で出血すると、すごくダメージが残る。普通の生活できればいいが、それも分からない」
今回の事件を受け、「BreakingDown」に出場した経験を持つノッコン寺田が自身のユーチューブ動画で、運営の責任を問うなど、インターネット上では団体に対する批判的な意見が飛び交っている。
井上氏は、元格闘家視線で、今後の「BreakingDown」の在り方について、自身の見解を示した。
「竜選手、竜選手の家族がすごい心配。それと、ブレイキングダウン全体が心配。それに格闘技の評判も心配。レオが俺の後頭部を殴ったとき、あんなに怒ったのは、やり過ぎたから。竜が回復しても、ブレイキングダウンはルールを変えないと。手を出すなと。もしかしたら再生数が減るかもしれないが、1番大事なのはそれではない。以前から言っているが、格闘技の評判、人の人生の方が全然大事。この1件で、ブレイキングダウンはちょっと考えてほしい」
これまで、大会オーディションで数々の乱闘騒動を起こしてきた「BreakingDown」。同団体のCOOを務める溝口勇児氏(41)は、16日に自身のXを更新し、今回の事件に関して「運営の責任はすべておれにある」との見解を示した。
今回の件を通じて、私自身が強く感じたのは
— やるべしたら竜 (@ryu_sato8814) December 14, 2025
「減量後という特殊な状態での張り手行為が、想像以上に危険である」
という現実です。
計量後の選手は、一般的に
•脱水状態
•低血圧
•低血糖
•反射・バランス能力の低下
といった、極めて不安定な身体状態にあります。… pic.twitter.com/DtJRXHKj28