食事、育児、旅行と日常生活の様々な出来事を手軽にSNSにあげる時代だが、その手軽さを逆手にとって個人情報を特定し、犯罪につながる深刻なケースも出始めている。2025年12月23日の情報番組「ひるおび」(TBS系)は「年末年始のSNSの投稿に要注意」と題してSNS利用の心構えを特集した。結婚式の写真からハワイのチャペルを割り出した番組は2018年に起きたSNSの情報を駆使し、空き巣を繰り返していた窃盗グループ摘発のニュースを紹介した。高級ブランド品などを投稿する大学生に目をつけて、SNSに投稿した情報を手がかりにその大学生の自宅を特定、空き巣に入ったという。情報リテラシーの専門家でもある小木曽健さんによると、投稿した写真に写っているマンホールや街の表示板をはじめ、自分が飲んでいるタピオカドリンクのタピオカやサングラスなどに映り込んでいる周辺の建物からも住所を割り出せるという。スタジオ内が慄然としたのは、お笑い芸人のバービーさんがSNSに投稿した自身の結婚式写真からAIが回答を導き出した時だ。バービーさんの結婚写真を出して、「ハワイの結婚式場らしいんだけど場所を特定できる?」とAIに質問する。AIは、すぐに式場の屋根の形やガラスのデザインから、オアフ島にあるチャペルを特定した。それを見たバービーさんは「正解ですけど勝手に何をしているんですか」。SNS投稿から個人情報を割り出す「特定屋」AIはさらに「バービーさんが宿泊したホテルや訪れたスポットを詳しく知りたいですか」と質問してきた。「バービー」という名前を入れなくても、写真から判断できるという。これにはスタジオからも「うわぁ~」と悲鳴に近い声も。バービーさんは「は~っ、ちょっとAIに学習させないでくださいね。怖いですね」とあきれ顔を通り越して本当に怖がっている。最近は「特定屋」というインターネットやSNSの情報から住所、氏名、生年月日、勤務先など個人情報を特定し、報酬を得る商売もあるという。小木曽さんは「自宅や近所で撮影した写真に注意」「映り込みに配慮」「投稿するタイミングをずらす」などの注意点を挙げて警鐘を鳴らした。(ジャーナリスト佐藤太郎)
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