サッカーJリーグ・FC町田ゼルビアが2025年12月23日、黒田剛監督およびクラブに対する「懲罰決定」が行われたとの声明を公開した。「自らの意向に沿わない選手、排除する意図を持った発言」町田ゼルビアは23日、公式サイトを更新し「この度、公益社団法人日本プロサッカーリーグより、黒田剛監督および当クラブに対し、下記のとおり懲罰が決定されました」と報告した。対象事案については「黒田監督は、2023年頃からFC町田ゼルビアに所属する選手らの前で、自らの意向に沿わない選手がいれば、造反者といった表現を用いて排除する意図を持った発言や、練習中に選手およびチームスタッフの前で特定のコーチに対して大声で怒鳴る行為、懇親会の場でのスタッフに対する暴言等の不適切な発言があった」と説明した。これらを踏まえ、黒田監督およびクラブに対して、始末書をとり将来を戒める「けん責」処分が科されたとした。同クラブをめぐっては、SmartFLASHが4月6日、「町田ゼルビア・黒田剛監督選手&スタッフが告発する『激詰めパワハラ』疑惑をJリーグが調査中!」などとして、パワハラ疑惑を報道。クラブ社長の藤田晋氏は同日公開のnoteで、「これは出鱈目であると確信を持ちました」などと記し、報道内容を強く否定していた。「真摯に反省しているとは言い難い状況にあった」一方、Jリーグは懲罰の理由について、黒田監督の行為を「指導者である監督として、自らの配下にある選手、コーチ又はスタッフに対して行った暴言ないし不適切な指導」と認定した。その上で、JFAによる指導者に関する規則をはじめとする複数の規則に違反すると説明し、「Jリーグの信用を毀損した」と断じた。クラブについては、「監督の業務執行を適切に管理・監督し、違反行為を早期に発見して是正するために必要な体制を整備しておらず、内部統制上の不備があったことは明らか」と指摘している。懲罰の理由については、「黒田監督の本件違反行為に暴力等有形力の行使は含まれておらず、規律違反としての悪質性の程度が極めて高いものとはいえない」としつつも、「黒田監督は、本件違反行為の存在を基本的に認めておらず、真摯に反省しているとは言い難い状況にあった」「本件違反行為を含む調査対象となった言動に関し、多くのチーム関係者に真実を語ることを躊躇させるような発言を行った」とした。「クラブが黒田監督を守ろうとしているとの印象を関係者が持つに至っている」クラブの対応については、「弁護士で構成される特別調査委員会により調査を行った」とする一方で、「同委員会による当初の関係者のヒアリングに顧問弁護士を同席させ、黒田監督とヒアリング対象となるチーム関係者が通報内容に関してやり取りすること等を規制しなかった」と指摘した。その結果、「本件クラブが黒田監督を守ろうとしているとの印象を関係者が持つに至っている」とし、「これらは調査対応の不備と言わざるを得ず、チーム関係者の多くに率直な供述を躊躇させる結果となり、真相解明に支障をきたした」と結論づけている。さらに、クラブが設置していた相談体制についても、「メールによる相談窓口を設置していたが、相談に係る事実の確認は本件クラブの経営陣が行うこととされており、本件クラブの経営陣が関与する事象について相談できる相談体制を構築していなかった」と問題点を列挙。「外部への通報が行われるまで問題行為が放置、継続された」と指摘している。発表を見たサポーターからは、「処分どうこうより最初の町田ゼルビアの調査発表がおかしいってことになりますが、、、これ大丈夫か」など、あきれる声が相次いでいる。
記事に戻る