高知県の名勝・桂浜にある桂浜水族館が2025年12月24日のクリスマス・イブに投稿した「自虐ポスト」が、SNS上で大きな注目を集めている。この投稿は、ミュージシャン・山下達郎さんの名曲「クリスマス・イブ」の歌詞をもじりながら、来館者が来ないことを自嘲する内容だった。
SNSでは、「ま、負けないで!」「誰か行ってあげて」など応援する声が相次いだ。最終的な来館者は何人だったのか。また、イブの館内の様子はどうだったのか。同館の広報担当者に詳しく聞いた。
「ハァ、暇だし酒でも飲むか」
桂浜水族館のXアカウントは、同館の公式マスコットキャラクター「おとどちゃん」が投稿している。「すげぇテンションの公式だなw」「勢いがすごい」などの感想が寄せられるほど、強烈なインパクトを残す投稿が特徴だ。
おとどちゃんは12月24日午前10時30分、来館者が写っていない施設内の様子を4枚公開した上で、山下さんの「クリスマス・イブ」の「きっと君は来ない ひとりきりのクリスマス・イブ Silent night, Holy night」という歌詞をもじって、つぎのように投稿した。
「きっと客は来ない
WWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWW
サイレッナイ
WWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWW
ッホリナイッ
WWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWW
ハァ、暇だし酒でも飲むか」
この投稿は26日18時時点で15万件以上の「いいね!」を集めるなど話題に。SNSユーザーからは面白がる声や応援する声などが相次いだ。
「文字から勢いが伝わってきて、まるで現場にいるみたいw」「誰か行ってあげて」「ホリナイッで吹いたw」「好きすぎるw」「これが公式とかかっこよすぎる」「客来たかなぁw」
などのコメントが寄せられている。
イブの朝は「見渡す限りの『無人』」「悲壮感があまりにも面白くて」
同館の広報担当者は12月25日の取材に対し、過去5年間のイブとクリスマスの来館者数について、両日が土日の場合は約400~500人が、平日の場合は約100~150人が来館すると明かす。
これに対し25年12月24日の来館者は約80人。担当者は「例年とあまり変わりはないのですが、あいにくの天気だったことや、スタートダッシュが遅かったこともあり、静かなイブだったように感じます」と述べた。
今回の投稿があった24日朝の水族館の様子はどうだったのか。担当者はこう語る。
「開館前の清掃が終わり、見回りをしている時のことでした。閑散期とはいえ、普段ならこの時間帯でもカメラを向けると写りこむ程度にはちらほらとお客様がいらっしゃるのですが、イブの昨日は見渡す限りの『無人』。当館は築40年と施設自体が老いているので、館内BGMで流しているクリスマスソングもどこかもの悲しく聞こえ、その悲壮感があまりにも面白くて(撮影しました)」
そもそも冬は「閑散期」だという。冬の平日は100~200人、土日は250~300人が来館する。一方でゴールデンウィークや夏休みなどの大型連休では、1日に3000人近くが来館する日もある。
イブとは違い25日のクリスマスには、同日16時30分時点で約190人が来館した。投稿が注目を集めた結果、来館者は増えたのだろうか。
担当者は「『話題のポストを見て来ました』というお声は聞いていませんが、よく遊びに来てくださる方が『バズってましたね』と笑っておられました(笑)」と明かす。
また、水族館にいるスタッフに「バズったポストを見て遊びに来たよ」と声をかけてもらえると、「それはそれはもう、大変嬉しゅうございます!」と語った。