デンマーク領グリーンランドに対して領有への意欲をしめすアメリカ政府当局内で、住民に一時金を支払う構想が浮上しているという報道が流れた。2026年1月9日放送の情報番組「ひるおび」(TBS系)は、トランプ政権のベネズエラ攻撃だけでなくグリーンランド領有の狙いについてとりあげた。「相手の領土がほしいからと言って...」グリーンランド購入構想の内容は、グリーンランド住民一人当たり1万ドル(約157万円)から10万ドル(約1570万円)の一時金を支払うというもの。グリーンランド領有に向けての地ならし的な意味合いがある。この報道にMCの恵俊彰さんは「小谷さん、買うって?」と驚いたように話した。外交・安全保障に詳しい小谷哲男明海大学教授は「購入というのは国と国との間で領土を明け渡す際一つの正当なやり方ではある。国際法違反にはならないが、相手の領土がほしいからと言って、そこに住んでいる住人に直接お金を渡すというのは聞いたことがない。住民の心を買おうとしている前代未聞のこと」と話した。コメンテーターの白井智子さんも「急に東京をどこかの国に買われるなんてたまったものじゃない。住んでいる人たちも勝手にそんなこと相談されてもって話ですよ」とアメリカの手法に唖然とするばかりだ。アメリカとミクロネシアの関係に似ている恵さんは「力による支配だけじゃなくて経済的にも(支配しようとしている)」と応じた。番組はアメリカがなぜグリーンランドにそこまで固執するかを解説。アメリカが西半球での覇権を握ろうとするなかで、グリーンランドもその勢力圏に入ることや中国が手をつけているレアアースを含む鉱物資源が豊富に眠っていること、北極海航路が東アジアと欧州を最短で結ぶ新たな航路として各国が注目している地域であることなどを挙げた。小谷さんはアメリカの今後の出方として「落とし所はデンマークの外交・防衛に関する権限を握ればそれでいいというもの。必ずしも購入しなくてもいい」と話し、アメリカとミクロネシアの関係に似ていると指摘した。ミクロネシアの独立は認めるが外交と安全保障についてはアメリカに発言権があるという関係だ。ドルで住民のほっぺたをはる、とんでもないディールである。(ジャーナリスト佐藤太郎)
記事に戻る