日本の長期国債利回りが急騰、つまり債券価格が急落した。2026年1月20日の日本市場で、超長期金利の40年国債利回りは史上初の4%台となる4.215%という前例のない水準に達した。長期利回りの急騰は、将来の金利水準や財政に対する不安が高まり、「日本の将来に対する信頼が揺らぎ始めている」と市場が受け止め始めたサインだと考えられる。利回り急騰は100万回に3回しか起きないレベル利回りの上昇とは、投資家が日本政府にお金を貸す際により高い利息を求めること。つまり投資家は、国債のリスクが高まったと判断しているのだ。とくに日銀が政策変更などを発表したわけではない。それなのに、わずか数日の間に、これほどの利回り上昇が発生するのは異例のことだ。今回の日本国債の変動は、海外でも懸念の声があがっている。アメリカのスコット・ベッセント財務長官は、通常の会見ではほとんど触れない日本国債について、「シックス・シグマ級の極端な動きが発生している」という表現で、その異常さを強調した。シックス・シグマとは、100万回に3回しか起きないレベル、つまり統計的にはほぼ起こり得ない異常状態だ。これを米財務長官が名指しで語ったという事実は、今回の事態が日本国内の状況を超え、世界金融市場にも波及しかねない国際的リスクとして認識されていることを示す。「悪い財政状況をさらに悪化させるだけだ」なぜ日本国債がこれほどまでに売られたきっかけは何か。今回の国債暴落とほぼ同じタイミングで、高市早苗首相が衆議院の解散を明言した。2026年年始に、高市首相が、1月23日からの通常国会冒頭での衆議院解散の意思を固めているという報道が流れた。1月16日に公明党と立憲民主党が中道改革連合を設立することを表明。19日には基本政策を発表し、政府系ファンドなどを活用して、恒久的な食料品の消費税ゼロの「実現に向けた検討を加速します」と打ち出した。その夜、高市首相は改めて衆議院解散の意思を正式に発表、そこで自民党の公約として、食品の消費税を2年間ゼロにすることに前向きな姿勢を示した。ただ、消費税の恒久的および時限的な撤廃は、税収の将来に深刻な不確実性をもたらす。もともと高市首相は積極財政、消費税の減税を志向していたが、昨年の自民党総裁選以降、減税に慎重な姿勢を見せていた。こうした発言のぶれに、日本経済新聞(2026年1月19日)は「発言のぶれは選挙目当ての日和見主義との批判を受けかねない」と厳しい指摘をしている。市場がこうした動きを警戒したことは想像に難くない。「BusinessInsider」で著名なエコノミスト、デビッド・ローゼンバーグはもともと「高市首相の就任以降80ベーシスポイント(0.8%)も上昇している」ことを指摘し、「食品の消費税免税措置を約束するこの早期選挙に対して、投資家がどれほど嫌悪感を抱いているかを浮き彫りにしている。この措置は、悪い財政状況をさらに悪化させるだけだ」と述べた。とくに、選挙モードで政策が揺らぎ、財政規律が軽んじられているように見えることが、市場を刺激し、今回は爆発的なスピードで表面化したということになる。選挙目当ての減税方針は人気取りととられても今回の事態はついに、片山さつき財務相とベッセント財務長官の実務会談に発展した。日本国債市場の混乱が、国際金融安定に影響を与えかねないと判断されたためだ。「自分勝手」と指摘される今回の衆議院解散。さらに高市首相が掲げた食品消費税の時限的ゼロの方針は、自民党のライバルとなる中道改革連合に対抗する、選挙のための人気取りととられかねない発言だった。こうした減税ポピュリズム的な言動が繰り返されれば、日本は国際市場から本格的に信用を失う可能性がある。今回の国債利回り急騰は、その警告の第一歩だ。2月の衆院選は、国民が責任ある財政運営を選び取る選挙となる。
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