「悪い財政状況をさらに悪化させるだけだ」
なぜ日本国債がこれほどまでに売られたきっかけは何か。
今回の国債暴落とほぼ同じタイミングで、高市早苗首相が衆議院の解散を明言した。
2026年年始に、高市首相が、1月23日からの通常国会冒頭での衆議院解散の意思を固めているという報道が流れた。
1月16日に公明党と立憲民主党が中道改革連合を設立することを表明。19日には基本政策を発表し、政府系ファンドなどを活用して、恒久的な食料品の消費税ゼロの「実現に向けた検討を加速します」と打ち出した。
その夜、高市首相は改めて衆議院解散の意思を正式に発表、そこで自民党の公約として、食品の消費税を2年間ゼロにすることに前向きな姿勢を示した。
ただ、消費税の恒久的および時限的な撤廃は、税収の将来に深刻な不確実性をもたらす。
もともと高市首相は積極財政、消費税の減税を志向していたが、昨年の自民党総裁選以降、減税に慎重な姿勢を見せていた。
こうした発言のぶれに、日本経済新聞(2026年1月19日)は「発言のぶれは選挙目当ての日和見主義との批判を受けかねない」と厳しい指摘をしている。
市場がこうした動きを警戒したことは想像に難くない。
「Business Insider」で著名なエコノミスト、デビッド・ローゼンバーグはもともと「高市首相の就任以降80ベーシスポイント(0.8%)も上昇している」ことを指摘し、「食品の消費税免税措置を約束するこの早期選挙に対して、投資家がどれほど嫌悪感を抱いているかを浮き彫りにしている。この措置は、悪い財政状況をさらに悪化させるだけだ」と述べた。
とくに、選挙モードで政策が揺らぎ、財政規律が軽んじられているように見えることが、市場を刺激し、今回は爆発的なスピードで表面化したということになる。