「本が10冊売れるごとに、カワウソの家族が1匹ずつ増えていきます」──。カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC、横浜市)が展開する大阪・梅田の「梅田蔦屋書店」で行われた取り組みがXで話題になっている。売り場にカワウソのぬいぐるみと、冒頭のような店頭販促物(POP)が設置され、「素敵な演出」など好評を博しているのだ。同社に詳細を聞いた。芥川賞・直木賞「該当作なし」で始動、個人文学賞フェア梅田蔦屋書店では、ある書籍の特集コーナーで販売数が「10冊」とカウントされ、寄り添うように小さいカワウソのぬいぐるみが飾られていた。10冊売れるごとに1匹増えると伝えるPOPには「めざせ10匹!」とも書かれている。現場の様子はXで2026年1月下旬に広く注目され、「可愛い企画だ」「買いたくなってしまうな。カワウソの家族が気になってもちろん本も楽しみますがね!!」「思わず微笑ましくって笑っちゃいますけど...素敵な演出というか試みですね」「こういうユーモアは本当に大切ですね」などと反響を呼んでいる。蔦屋書店広報は28日にJ-CASTニュースの取材に応じ、この取り組みは、梅田蔦屋書店に勤務する「文学コンシェルジュ」河出真美さんによる個人文学賞「河出真美賞」第2回フェアとして14日から実施していると答えた。陳列された書籍は受賞作「狼少年ABC」(著・梓崎優さん、東京創元社)だった。そもそも河出真美賞は、25年7月に第173回芥川賞・直木賞が27年ぶりに両賞とも「該当作なし」になったことを受けて、河出さん自ら本を売る取り組みとして創設した個人文学賞だという。「河出が過去半年間に読んだ本のなかから、『新作・旧作を問わず心から読んでほしい本』を選考基準にしています」なぜカワウソのぬいぐるみ?理由を聞いたら...芥川賞・直木賞受賞作の発表に合わせて年2回(1月・7月)、梅田蔦屋書店のホームページやSNSで河出真美賞受賞作を発表し、同店でフェアを開催しているという。第1回受賞作は「レモネードに彗星」(著・灰谷魚さん、KADOKAWA)で、25年8月に実施したフェアの途中から、カワウソの演出を始めたと振り返った。実施効果は、「おかげさまでXで話題となり、第1回受賞作は、結果的に約2か月で100冊を販売することができました。デビュー作家さんのタイトルが1店舗で100冊売れるということは、あまりないことだと思います」と明かした。演出を考えたのは梅田蔦屋書店店長・北田博充さんの知人で、書店販促の戦略アドバイザー・瀬田崇仁さんだといい、カワウソが選ばれた理由は「河出の名前にちなんでいます」とも説明している。広報を通じて、河出さんからのコメントも寄せられた。反響は「第1回の時も、カワウソに注目してくださったお客様の投稿がXで拡散されたことがありました。こういう形で情報が広がるのは本当にありがたく、カワウソたちに感謝です」と受け止め、下記のように伝えた。「『狼少年ABC』は、実際に読んだ方が口をそろえて絶賛する、心温まる素晴らしい本です。『狼少年ABC』をどうぞよろしくお願いします!2026年は他にもユニークなフェアを開催していきたいと思っていますので、どうぞお楽しみに」
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