高市早苗首相を描いたクッキー商品について、コンビニ大手「ファミリーマート」のフランチャイズ(FC)店舗運営会社が、奈良県内などの取り扱い店舗27店で衆院選期間中の販売を見合わせたことが分かった。
公職選挙法に抵触するかは明らかではないが、選挙期間中ということに配慮したという。商品の販売元は、「自粛するかどうかは、各店や業者が自ら判断することだと思います」と取材に話した。
「元々やってた商品じゃんか」「選挙期間中にこれはアカン」
この商品は、高市首相誕生を記念して発売された「さなえちゃんクッキー」だ。
「奈良の女です」として、高市首相がシカにせんべいをあげる様子のイラストがパッケージに描かれている。首相の地元に当たる奈良市内の印刷会社「明新社」が手がけた。
衆院選が2026年1月27日に公示されると、このクッキーについて、ファミリーマートの一部店舗で特設台を置いて販売されたとして、選挙期間の販売を問題視する指摘がX上で出た。
この投稿は反響を呼んで、様々な意見が寄せられた。「元々やってた商品じゃんか」として選挙とは関係ないのではないかとする声も出る一方、「選挙期間中にこれはアカンでしょ」といった意見もあり、議論になった。
その後、ファミマに問い合わせた結果、クッキーを扱うFC店運営会社「近鉄リテーリング」(大阪市)と協議して、選挙期間中は販売を見合わせる、とメールで回答があったとの情報が29日に出回っていた。
近鉄リテーリングの総務部は30日、J-CASTニュースの取材に対し、社内で検討して、ファミマ本部とも協議した結果、クッキーを取り扱っている奈良県や大阪府、三重県の一部の店舗27店で、選挙期間中の販売を見合わせたことを明らかにした。
各店では、14日から土産の1つとして販売していたが、29日午前中ですべての店から商品を引き上げたという。販売を見合わせた理由については、選挙期間中であることを考慮したと説明した。選挙後に販売を再開するかについては、検討中だとしている。
ファミマ本部「現在、該当商品の取り扱いは一時休止」
選挙期間中のクッキー販売について、販売元の明新社は1月30日、取材に対し、営業担当者がこう話した。
「選挙期間中は、各店や業者が取り決めてやっていると思います。販売を自粛するかどうかは、自ら判断することになります。クッキーの取り扱いについては、こちらは何も聞いていません」
自社で運営する奈良市内の土産物店では、現在もクッキーの販売を続けているという。
「奈良の偉人で、奈良のお土産として売っています。買ったから自民党に投票するわけではなく、選挙に左右するとは考えていません。しかし、大きな会社は、コンプライアンス的に考えるかもしれないと思います」
政治家を描いた商品を選挙期間中に販売することについて、公選法上はどのように扱われるのだろうか。
この点について、総務省の選挙課は30日、取材に対し、こう答えた。
「選挙運動は、公選法で定義されていませんが、判例では、解釈が示されています。それは、特定の選挙について、特定の候補の当選を目的として、投票を得たり得させたりするために、直接・間接に必要かつ有利な行為を行うことを指します。個別の事案については、調査権限を持っておりませんので、何も申し上げられません」
ファミリーマートの広報担当者は30日、「当該商品は、近畿地方の一部店舗での取り扱い商品であり、現在、該当商品の取り扱いは一時休止しております」と取材にメールで答えた。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)