中国に大きく依存していたレアアース(希土類)を自国で調達できないか――。2026年2月3日放送の情報番組「ひるおび」(TBS系)は、内閣府のプロジェクトチームが南鳥島沖の水深約6000メートルの海底からレアアース泥の引き揚げに成功したニュースをとりあげた。プロジェクトの中心を担ってきた内閣府のプログラムディレクター石井正一さんをゲストに迎え、将来、中国に頼らないレアアースの可能性について考えた。
パイプ600本をつなぎながら炭鉱機を海底まで降ろす
番組は1月に海洋研究開発機構の探査船「ちきゅう」が清水港を出港、現地で10メートルのパイプ600本をつなぎながら炭鉱機を海底まで降ろし、海水を使ってレアアース泥を押し上げて採掘する様子を映像で流した。それを見て、バービーさんは「すごいですね。大変なことになってきました。(レアアース泥の)埋蔵量もそれなりにあることが確認されれば経済的にも(いい)影響が出てきそうで」と驚きを隠さない。
レアアースは自動車のモーター、スマホのメモリー、テレビなどの液晶などに使われ、素材の性能を高めることから「産業のビタミン」とも呼ばれている。
事前の調査で南鳥島周辺にはレアアースの存在が確認されていたが、2018年に石井さんが中心になって本格的な調査が始まった。「当時の日中関係は(現在のように)険悪ではなく、手を結んでいて、レアアースは安く日本に入ってきた。『これ(南鳥島の探査)をやる必要があるのか』という疑問符も政府内にあった」という。石井さんは当時の肩身の狭さを振り返る。
採鉱コストを踏まえた採算性について報告書をまとめる
一方で、2010年に起きた尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で約2か月間のレアアース輸出規制を経験した。調達先の多様化や供給サプライチェーンの確保が課題として掲げられていたという。
今後の計画としては、2027年2月に1日最大350トンの泥を引き揚げる本格的な試掘を行う。2028年3月までに、価格や採鉱コストを踏まえた採算性について報告書をまとめる。
石井さんは「日本の経済安全保障の観点から供給源の多様化が重要で、選択肢の一つとして南鳥島のレアアースが少しでも貢献してくれたら」と将来のレアアース国産化に期待する。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)
2月1日、日本最東端に位置する南鳥島周辺の排他的経済水域の海底に存在するレアアース泥を船上へ引き揚げることに成功しました。
— 高市早苗 (@takaichi_sanae) February 2, 2026
今回の試験は、我が国における国産レアアースの産業化に向けた最初の取組となるもので、水深約6,000mの海底からの泥の引き上げは、世界でも初めての試みです。… pic.twitter.com/N16Wbur2P5