スキージャンプ、日本が一時2位に浮上も...「欧州勢に有利な判定」で批判続出 なぜ途中打ち切りになったのか

   ミラノ・コルティナ五輪のスキージャンプ新種目「男子スーパー団体」で、急な降雪を受けて運営が2回目で競技を打ち切ったことに対し、欧州勢に有利な判断ではないのかなどと疑問の声が相次いでいる。

   日本は、二階堂蓮選手(24)が最終の3回目で大ジャンプを見せ、一躍2位に浮上した矢先だった。報道によると、運営責任者は、テレビ中継の都合や選手間の公平性などを打ち切りの理由に挙げている。

  • 表彰台は欧州勢が独占。一時は2位だった日本はベスト3に食い込めなかった(写真:長田洋平/アフロスポーツ)
    表彰台は欧州勢が独占。一時は2位だった日本はベスト3に食い込めなかった(写真:長田洋平/アフロスポーツ)
  • 二階堂蓮選手(国際オリンピック委員会の公式インスタグラムから)
    二階堂蓮選手(国際オリンピック委員会の公式インスタグラムから)
  • 表彰台は欧州勢が独占。一時は2位だった日本はベスト3に食い込めなかった(写真:長田洋平/アフロスポーツ)
  • 二階堂蓮選手(国際オリンピック委員会の公式インスタグラムから)

「これがオリンピック」「悔しい」と日本選手は無念

   2026年2月17日未明(日本時間)、ジャンプの2回目が終わって、二階堂選手とエース小林陵侑選手(29)は、奮闘を見せるが、6位に留まった。

   メダルに黄信号が灯った3回目、二階堂選手は、それを吹き飛ばす、胸がすくような大飛行を見せる。138.5メートルを飛んで、一躍銀メダルの位置に着けた。二階堂選手は、ガッツポーズで喜んだ。

   ところが、その直後から降雪が激しくなった。競技が一時中断した後、選手らに告げられたのは、競技の打ち切りと2回目までの順位でメダルを決めることだった。

   2回目でトップに立ったオーストリアの選手らは、金メダルが決まって喜びを爆発させる。銀はポーランド、銅はノルウェーと欧州勢が続いた。

   対照的だったのは、メダルが目の前で吹き飛んだ日本の選手らだ。

   二階堂選手は、試合後のインタビューで、「これがオリンピックですね。そう思うしかない」と悔しさを押し殺したような表情を見せた。一方の小林選手は、「悔しい。飛びたかった」と無念さを隠さなかった。「気象レーダーを見れば、5分後に止むとは絶対分かってたのに。それを知っていても、しなかったんだな」と率直に疑問をぶつけた。また、打ち切り時点では、「あっ、銀メダルか」と思っていたといい、3回目がカウントされないことにも驚いていた。

   報道によると、競技の打ち切り決定から、20分後には雪は止んでいたという。

   こうした状況について、かつて活躍した五輪のOBたちも、テレビ番組への出演で、次々に疑問を口にした。

テレビ中継の都合や選手間の公平性などが理由

   1998年の長野五輪で男子ラージヒル個人と団体で金に輝くなどした船木和喜さんは、テレビ朝日系「大下容子ワイド!スクランブル」への出演で、二階堂選手の大ジャンプについて、「ここから逆転が始まるんだと思った」と明かした。そして、欧州とは環境が違うものの、日本では気象レーダーを読んで「細かく中断してくれる」と説明した。

   実際、長野では、男子ラージヒル団体で今回以上の悪天候に見舞われたとされるが、そんな中でも中断しながら競技を続行させ、日本が大ジャンプで金メダルをつかんだ。

   また、レジェンドとして活躍した葛西紀明さんは、TBS系「ひるおび!」への出演で、競技の打ち切りに対し、「あり得ないです」と怒りをあらわにした。「普通なら、最後のグループをキャンセルにしてやり直すってこともよくやるんですけど、今回はやらなかった」と疑問を呈した。

   共同通信の2月17日付ウェブ版記事によると、国際スキー・スノーボード連盟の運営責任者は、打ち切りの判断について、「テレビ中継の時間の限界もあった。あの瞬間に決めなければならなかった」と説明したという。ジャンプ台に雪が積もってスピードが出づらくなり、その後に飛ぶ選手に不公平になることも考慮したなどとしていた。

   とはいえ、日本のネット上では、その判断について、不満がくすぶっている。「テレビの視聴者より競技者を最優先に考えて」「今回はあまりにも決断が早い」「4年間の努力を何だと思ってるのか?」などと書き込まれている。中には、「日本選手がビッグジャンプをしたから打ち切ったんだろうな」「欧州勢に有利な判定となった」「こんな事が多いとみる気が失せてくる」と極端な見方も出ていた。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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