オランウータンのぬいぐるみを母代わりに抱く姿に注目が集まっている子猿「パンチ」をめぐり、他の猿に攻撃される様子の動画がSNSで拡散されている。これに、市川市動植物園(千葉県市川市)は2026年2月20日にXで、動画の状況を推察して説明し、「ただかわいそうと思うのではなく、パンチの頑張りを応援していただければと思います」と呼びかけた。
「可愛そうやけど群れ社会の掟よね」「仕事が手につかない」
パンチは生後約半年のニホンザルで、母猿が育児をしなかったことから飼育員による人工保育で育てられた。子猿は通常、生まれた時から母猿にしがみついて生活するが、母のいないパンチは代わりにオランウータンのぬいぐるみにしがみついている。ぬいぐるみに甘えながらも懸命に群れに馴染もうとする姿が注目を集め、SNSを中心に注目を集めた。
動画は19日頃にXで拡散。同日に撮影されたとみられる。動画では、パンチが自身より少し大きな子猿に近づくも、その子猿はパンチから離れてしまう。その後、大人の猿がパンチに駆け寄ると、引きずり回した。
パンチは大人の猿から逃れると、オランウータンのぬいぐるみの元へ走り、抱きついていた。
これに、「可愛そうやけど群れ社会の掟よね 」「これはショックでした」「かわいそう過ぎて仕事が手につかないレベル」「群れで生きていくには通らなきゃ行けない試練だとしても辛い」といった声が寄せられた。海外のアカウントでも拡散されていた。
20日昼頃、市川市動植物園はJ-CASTニュースの取材に、動画の拡散は把握しているが、その時点ではいつ誰が撮影したのか、本物なのかといった確認が取れておらず、「必要に応じて、パンチの近況と合わせた情報の提供を皆さんにしていきたいと考えております」としていた。
その後、14時頃、市川市動植物園はXで飼育担当からとする書面を投稿した。
「本気で攻撃しようとするサルはいません」
発表では、拡散された動画の状況について、「パンチが群れの他の子ザルに近づきコミュニケーションを取ろうとしていたところ、その子ザルからは避けられてしまいました。パンチがコミュニケーションを諦めて座ったところを大人のサルに怒られて引きずられているようでした」と説明。
パンチを引きずったのは、その直前にパンチがコミュニケーションを取ろうとした猿の母猿と思われるという。母猿は「子ザルが嫌なことをされたと思い、パンチに対して『子ザルに嫌なことをするな』と怒ったのではないかと思います」と推察した。
続けて、「これまでにもパンチは何度も怒られたりすることでサルとして生きるためのコミュニケーション方法を学んできています」と説明した。
今回も、「少し時間が経てばいつも通りぬいぐるみから離れて他のサルとコミュニケーションを取っていました」という。また、動画が撮影されたとみられる時間の後のエサの時間も、パンチに特に変わった様子はなかったとした。
続けて、「これまで何度も群れのサルに怒られることはありましたが、本気で攻撃しようとするサルはいません」と説明。「パンチは怒られながらも、立ち直りの早いメンタルの強さも持ち合わせています」とパンチの性格にも触れ、
「いろんなサルとのコミュニケーションを取ろうとした結果の群れのサルからの躾が行われるのは、ただかわいそうと思うのではなく、パンチの頑張りを応援していただければと思います」
と呼びかけた。
昨日(2/19)に撮影されたと思われる
— 市川市動植物園(公式) (@ichikawa_zoo) February 20, 2026
「パンチが群れのサルに引きずられている動画」について
添付をご一読ください。#市川市動植物園#市川ファン#がんばれパンチ pic.twitter.com/rT128eCraj