日本航空(JAL)傘下の中長距離路線を結ぶ格安航空(LCC)、ZIPAIR(ジップエア)が2026年2月23日、成田空港と米南部フロリダ州・オーランドを結ぶ直行チャーター便の初便を運航した。運航会社によると、日本からオーランドに旅客便の直行便を飛ばすのは初めて。
オーランドは、「世界最大級のディズニーリゾート」だとされるウォルト・ディズニー・ワールドの「おひざ元」。乗客は記念品として配られたディズニーグッズのカチューシャを頭につけて次々と飛行機に乗り込んでいた。
家族連れ、卒業旅行の大学生、新婚旅行カップルが乗る「非常に多様なフライト」
運航会社の西田真吾社長によると、初便の乗客は家族連れ、卒業旅行の大学生、新婚旅行のカップルなどで、客層が「非常に多様なフライト」になった。
往路は12時間40分かかる長距離運航だ。運航距離や搭載燃料などの関係で、乗客が預けた荷物以外の貨物を載せていない。運航会社の西田真吾社長によると、「非常に大きな挑戦」だ。復路は向かい風でさらに条件が厳しく、15時間かかる。そのため、乗せられる乗客数も限られ、230人のみ予約を受け付けた。
オーランド行き初便のZG714便には定員290人に対して満席の予約が入り、277人が搭乗。折り返しのZG713便は最大230席に対して、8割ほどの予約が入ったという。
チャーター便は成田発で2月23日、28日、3月5日、10日の4往復。今後定期便化される可能性については、為替や燃油価格、オーランド周辺の市場規模などを「見極めないといけない」と話した。
西田氏をめぐっては、社長を退任し、親会社JALの執行役員マイレージ・ライフスタイル事業本部長に就任することが2月19日に発表されたばかり。後任には、JAL出身でZIPAIR立ち上げ時から関わっている取締役事業本部本部長の深田康裕氏が就く。
わずか2人のソウル初便客、再会で「お客様の前で抱きついてしまい、いけないことを」
西田氏は18年にZIPAIR 運航会社の前身、「ティー・ビー・エル」社長に就任。西田氏にとって、トップを務めてきた8年間は「長いようで短かった」という。
就航準備を進める中でコロナ禍に突入し、20年6月のバンコク(スワンナプーム)初便は、乗客を乗せない貨物便として運航された。初の旅客便は20年10月のソウル(仁川)行きで、初便乗客はわずか2人だった。そのうちの1人が今回のオーランド便の乗客にいたといい、
「お客様の前で抱きついてしまい、いけないことをしたなあと反省しています」
と笑顔を見せた。25年12月25日には、累計搭乗者数が400万人に達している。
ZIPAIRでは、ボーイング787-8型機を運航しており、早ければ27年ごろから、より多くの乗客を乗せられる787-9型機が導入される。社長退任後について
「自分では見ることはできないが、お客さんとして乗りたい」
と話していた。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)