「高市一強」へ参議院のブレーキは効くのか?後藤謙次氏「政権交代の起点は参院から起きる」

   参議院の代表質問が2026年2月25日行われ、自民党の石井準一幹事長は今後の国会審議の進め方について、「謙虚な、丁寧な審議」に言及した。衆議院では巨大与党(352議席=自民316、維新36)が出現した一方で、参議院はなお少数与党のまま。「高市一強」のブレーキ役になるのではないか、との期待も出てきているが、果たしてブレーキは効くのか。

  • 高市早苗首相(2025年12月撮影)
    高市早苗首相(2025年12月撮影)
  • 参議院議員会館。参議院は「高市一強」のブレーキ役になるか
    参議院議員会館。参議院は「高市一強」のブレーキ役になるか
  • 高市早苗首相(2025年12月撮影)
  • 参議院議員会館。参議院は「高市一強」のブレーキ役になるか

「衆議院とは異なる議会運営」自民・石井幹事長は言うのだが

   石井氏は質問のなかで、参議院に設置された改革協議会では「政権選択選挙となる衆議院の多数決の理論とは異なる議会運営を志してきた」と述べた。また「今回の選挙の結果によって力強い政権運営が可能となったことは確かでありますが、同時に国民に約束した公約を確実に実現していく非常に重い責任を担っております」。

   さらに、安倍晋三元首相が、衆参両院で過半数を得た2018年秋の所信表明演説で、原敬元首相の言葉「常に民意の存するところを考察すべし」を引用したことに言及しつつ、「謙虚に丁寧に、時には大胆な議論を重ね、説明をしていかなければなりません」と主張した。

高宮秀典氏「高い支持率は、一過性熱病の可能性もある」

   先週の18日に召集された特別国会の参院の首相指名選挙では、「高市票」は過半数に1票足りず、なお参議院は「少数与党」状態であることが浮き彫りになった。

   23日夜に放送された「報道1930」(BS-TBS)は、この国会での「参議院の存在感・役割」を特集したが、高宮秀典・拓殖大助教は、「高市政権の高い支持率は、一過性の熱病の可能性、もあるので、参議院がしっかり覚ますことが求められる」「参議院の過去の議席によって衆議院を抑制する。首相を抑制する」と指摘した。

   立憲民主党の参議院議員の辻元清美さんは「(首相指名投票は)法案だったら否決ですよ。参議院は無視できない」「参議院は審議を大事にする。時には与野党一緒になって衆議院と戦うということも出てくる」と言う。ジャーナリストの後藤謙次さんも、「89年の衆参ねじれ現象が起きて以来、政権交代の起点は参院から起きている。しかし(高市首相がその事実を意識しているかは)今のところは感じませんね。高転びするとは言わないまでも、危ないところです」と指摘する。

首相は強気「決めるべき時には決めるのが民主主義のルール」

   国会は代表質問を終えると、26日に衆議院予算委員会で本格的な審議入りを迎える。最大の焦点は、高市首相が掲げる「新年度予算案の年度内成立」が実現するかどうかだ。

   高市氏は、この日も「熟議の府、良識の府の参議院におきましても衆議院におきましても、野党の皆さんと力を合わせて取り組んでいきます」といいながら、「熟議の後で、決めるべき時には決めるのが民主主義のルールであると考えております」として、「数の力」での決定をちらつかせた。

(ジャーナリスト 菅沼栄一郎)

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