高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 無知な関係者、脇甘い藤井教授...「ザル」規制にすら引っかかる「SANAE TOKEN」

法的な問題の他に、政治的・倫理的な問題も

   この金融法規のほかにも、騙す目的があれば、詐欺罪などの適用もありえる。金融庁の調査は基本的に資金決済法に基づくものである。交換業の登録業者であるかどうかは金融庁のホームページをみれば分かるが、当該業者の登録はない。後は、交換業者であるかどうかの事実認定である。筆者は大蔵官僚時代、東京地検の具体的な案件にアドバイスする機会がよくあったが、無登録営業の認定のハードルはさほど高くなかったという印象だ。

   現状の資金決済法による規制は「ザル」であるが、本件はそのザルにも引っかかるような稚拙な案件だ。さらに、法的な問題の他に、政治的・倫理的な問題もある。いやしくも首相の関係者であれば、こうしたカネの関わる話について細心の注意深さが求められる。本件の関係者があまりに無知なのは驚くが藤井氏は脇が甘すぎて残念だ。


   ++高橋洋一プロフィール 高橋洋一(たかはしよういち)元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。

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