原因不明の腹痛、発熱...「虚弱エッセイ」反響に著者感じる恩恵と懸念 努力しなくても「罪悪感を感じないで」【#虚弱を考える】

「頑張らない」という選択肢も堂々と発信してほしい

「『努力していて偉い』は往々にして、『努力しないのは怠惰』に転じる危険性をはらんでいる」

   これは著書の中の一文だ。終電さんが健康に向き合い食事や運動をしている姿勢を「偉い」とする声が少なくない数寄せられたが、終電さんは同じような体質の人に「自分も頑張らなきゃ」とプレッシャーに感じてほしくないと呼びかけている。

   しかし、著書にそう書いてもなお、「努力していて偉い」といった感想は寄せられるという。

   SNSに投稿された感想の中に、自身も虚弱体質だが、通院する体力や金銭面での消耗を考慮し、健康のため「頑張らない」選択肢をとった、との感想があったという。終電さんは、このような努力しない選択肢を堂々と発信できるようになってほしいとした。

   終電さんも20代前半の頃は、健康のための努力をしていなかった。メンタルの落ち込みなどから、健康になろうという気になれなかったのだと振り返る。大きな転機は、眼鏡をかけるようになったことで不眠症が改善したことだった。「このままだと何もできない」という思いものしかかるようになり、健康のための努力を始めたという。

   終電さんは、健康のために動けない状態から抜け出すことは「簡単なことじゃない」とし、同じような状況にいる人に向けて、

「抜け出せないっていう事実に罪悪感を感じないでほしいです。抜け出せないのは仕方ない――諦めじゃなくて、自分を責めるようなことではない......、というスタンスを保ったまま、抜け出す方法を考えていくというのが大事なんじゃないかなと思います」

と話した。

   【予告】連載の第2回は、「虚弱体質」の当事者たちを取材し、詳しい実態や胸の内を尋ねました。3月21日正午に掲載予定です。

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