「そうした情報を鵜呑みにしてしまう人は、私はおそらく永遠にいると」
危機管理コミュニケーションの専門家の東北大学特任教授・増沢隆太氏はJ-CASTニュースの取材に、政治家などの著名人がその顔や名前を悪用される例は昔からあり、これからも出てくるだろうと指摘する。
「今時、政治家がいるから、有名人がいるからというだけで信用してしまう――どれだけリテラシーが低いんだと思われます。しかし、そうした情報を鵜呑みにしてしまう人は、私はおそらく永遠にいると思うんですよ。どれだけテクノロジーが進んでも、時代が変わったとしても、犯罪かどうかは別にして、(著名人の顔や名前の)不適切な使用というのは、今後もあるだろうと思われます」
そのため、政治家の写真が勝手に使われるようなことは「防ぎようがない」という。
増沢氏は、政治家や著名人ができる対策として、「危険人物に近づかないでください」と呼びかける。政治家からSNSの危機管理サポートを依頼された際には、炎上しやすい人とメディアに出るとリスクがあることを伝えるという。
しかし、「写真を勝手に使われる」以上のこと、例えばSANAE TOKENのように商品名に名前を冠したり、政治家が「推薦」しているなどと流布されるようなことがあれば、明確に関与を否定しないと責任が発生してしまうとした。
さらに増沢氏は、関与していると疑われる「証拠」を残さないことが重要だとも指摘する。
「例えば『高市早苗』の名前で推薦状を書かれたら、これは言い逃れできない。しかし証拠はなく、『勝手に使われた』だけであれば、今はさすがに理解が得られます。ディープフェイクで本人の動画まで作れてしまうわけですから。『そんなことはやっていません、認めていません』と言えるのであればいいですが、もし実際に関係者が関与してしまったとしたら、名前を使われた政治家など本人に責任が及ぶ重大なことになります」
SANAE TOKENを公式サイトに高市氏のイラストが掲載されていたほか、「公認後援会」を名乗るアカウントが一度は賛同していた。増沢氏は、「首相の関係者の方が絡んでいたとしたら、あまりにも迂闊です。それを首相本人にも言わずに勝手にやったのだとしたら、首相にまで責任が波及しかねない大きなミスです」と評する。