降りる駅が近づき声をかけて起こすと...
3回ほど続いたあと、女性は完全に眠ってしまったようだ。今度は、山田さんの肩にもたれたまま動かなくなった。
「完全に『肩枕』みたいな状態でした」
周囲の視線も気になり、体を動かすべきか迷ったものの、「起こしてしまうのも申し訳ない」と感じ、そのまま姿勢でやり過ごしたという。
しかし、山田さんの降りる駅が近づいてきたのだが、このままでは電車を降りることができない。駅に近づいたタイミングで、山田さんは意を決して声をかけた。
「すみません、降りたいのでいいですか?」
女性の肩を軽くたたくと、ハッと目を覚ました。驚いた様子で体勢を戻し、申し訳なさそうに頭を下げたという。山田さん軽く会釈をして、そのまま電車を降りた。山田さんは「申し訳なさそうにしていたので、とくに気にしていません」と振り返る。
通勤電車では、見知らぬ乗客同士が隣り合わせになる。ちょっとした出来事でもトラブルに発展してしまうこともあれば、互いに一言声をかけることで気まずさが和らぐ――そんな瞬間もある。