KDDIが2026年3月31日、連結子会社のビッグローブと同子会社のジー・プランにおける不適切な取引の疑いに関する特別調査委員会の調査報告書を発表した。従業員2人が広告代理事業で実体が存在しない「架空取引」を行い、売上高2461億円を計上していたと分かったという。
発覚のきっかけとなったのは、当時のKDDI代表取締役社長で現会長・高橋誠氏(64)による「懸念」だといい、Xで「切れ者過ぎる」などと驚かれている。
事業急拡大で「コンプライアンス的に問題ないか」
報告書によると、遅くとも18年8月から25年12月まで継続的に、ビッグローブやジー・プランが仲介する実在のウェブ広告取引を装いながら、上流代理店と下流代理店を加わらせた商流で手数料分の利益を得る「架空循環取引」が行われていた。「本件子会社における広告代理事業の売上のうち概ね99.7%が、本件架空循環取引により計上された」といい、外部流出額は329億円におよぶ。
組織的な事案ではないことが確認されたとしている。事業が急速に拡大する中、ビッグローブやジー・プランでは一定の状況把握に努めていた役員もみられたが不適切な取引の実態はつかめていなかったとも説明している。
発覚のきっかけは25年2月19日、当時のKDDI社長だった高橋氏が指摘したこと。経営戦略会議でビッグローブの25年度マスタープランを審議した際、広告代理事業の業績について「あまりにも伸びているので怖い」「通信より大きくなっている。事業として指標で管理していることを見せてほしい。これだけ伸びているといつか何かが起きるかもしれないので注意してほしい」などの指摘とともに、「コンプライアンス的に問題ないか」といった懸念を示したという。
この懸念は、単発取引の積み重ねのため売上が急激に落ちる可能性がある広告代理事業の伸びが、主要事業である通信事業と比較して極めて大きくなっていたことを踏まえ、事業リスクがあると感じ、広告代理事業の内容の確認を求める趣旨だった──とされている。