「一緒に降りましょう」と言い、事情説明することに
普段ならそのまま黙っていたかもしれない......。しかし、その日は仕事のストレスもあり、鈴木さんは男性に声をかけた。
「それなら、次の駅で降りて駅員さんに話しましょうか」
男性の腕をつかんだ。すると男性は再び、大きな声をあげたのだ。
「チカン!チカン!」
鈴木さんは「突然そう言われて、思わず手を離してしまいました」と振り返る。
それでも鈴木さんは、駅員に事情を説明しようと考え、男性の動きを見ていた。男性は次の駅で降り、すぐに後を追ったという。
ホームから階段を駆け上がる男性を追いかけると、男性は周囲に聞こえる声で叫び続けていた。
「チカンだ!」
鈴木さんは改札付近で男性に近づき、それから駅員に事情を説明。その後、警察官が到着し、話を聞かれることになった。
「はじめは、私が被害者だと思われていたみたいです」
鈴木さんが経緯を説明すると、警察官は状況を理解した様子だった。男性には厳重注意が行われたそうだ。
駅員の配慮で、男性とは別々の場所で事情を聞かれていた。鈴木さんによると、男性は警察官に対して「女性にも注意してほしい」と話していたという。
「警察官も、どのように私に注意していいのか困っている様子でした」
帰宅時には2人が鉢合わせしないよう、男性を先に駅から出し、その後に鈴木さんが帰るよう促された。この出来事をきっかけに、満員電車を避けるようになった。
「また同じことが起きたらと思うと、怖いんです」
鈴木さんは現在、片道12キロの道のりを自転車で通勤している。
通勤時間帯の電車は混雑が激しく、乗客同士の接触が避けられない場面も多い。思わぬトラブルに発展したときには、駅員に事情を伝えるなど、落ち着いて対応することが大切だ。