4世代にわたる政治家一族に育った小泉進次郎防衛相。
その端正な容姿と歯切れの良い口調から、「自民党のプリンス」と目されてきた。
最近、自民党大会での自衛隊員による国歌斉唱問題などをめぐり、その発言内容に注目が集まっている。
「セクシー」発言から始まった「進次郎構文」
小泉氏の発言が注目されたのは、2019年に環境相に就任した際のことだ。国連の気候行動サミットの非公式会合後に行われた記者会見で、次のように述べた。
「政治には非常に多くの問題があり、時には退屈です。気候変動のような大規模な問題に取り組むとき、それは楽しくなければならず、クールでなければなりません。そして、セクシーでなければなりません」
「セクシー」とはどういう意味かという記者の質問に対し、小泉氏はこう答えた。
「それをどういう意味かと説明すること自体がセクシーじゃないよね」
このように、具体的な政策よりも、どこか意味ありげで、ともすれば内容が空疎と批判されることもあった小泉氏の発言は、「進次郎構文」や「ポエム」としてネットミーム化するまでに至った。
柔らかく、誰かを傷つけるものではないが、事態を動かす力には欠ける――そんな評価を受けることが多くなっていった。
妥協を許さない対決姿勢がエスカレート
しかし、ここ最近の小泉氏は、強い言葉で相手をねじ伏せるストロングスタイルの言動が増えている。
2025年、石破茂政権で農水相を務めていた際、コメ価格の急騰を受け、備蓄米20万トンを放出する方針を打ち出した。
「私たちとしては、これはじゃぶじゃぶにしていかなければならない。そうでなければ価格は下がらない」
さらに、「緊急輸入も含めて、あらゆる選択肢を持って臨みたい」と発言し、JAや農家からの反発を招いた。
このとき彼は、農水省の従来路線やJAといった巨大組織に対し、妥協を許さない対決姿勢を強い言葉で示したのである。
そして、高市首相のもとで防衛相に就任して以降、その強弁はさらにエスカレートしている。
先に挙げた自民党大会での自衛官による国歌斉唱問題について、野党議員から厳しい追及を受けた際も、「政治的目的のためのものではない」と説明した。
それどころか、批判に耳を貸さないかのような強硬な態度も目立っている。
4月21日の参議院外交防衛委員会では、共産党の山添拓議員が、同日の閣議決定で武器輸出を事実上全面解禁したことを受け、「長射程ミサイルまで輸出可能となります」と疑問を呈し、「世論を無視して強行するのですか」と質問した。
これに対し小泉氏は、
「今回、山添先生、ミサイルを例に出しますが、共産党さんはミサイルが大好きなので......」
と、揶揄するような発言をした。
次期リーダーを目指してのイメージチェンジか?
こうした小泉氏の変化の背景には、高市早苗首相の高い人気があるとみられる。
小泉氏はこれまでに2度、自民党総裁選に出馬している。
2024年は石破氏に敗れたものの、2025年には決選投票に進出。しかし、都道府県連の党員票で大きく差をつけられ、高市氏が総裁に選出された。
ここから見えてきたのは、現在の自民党の岩盤支持層が、強固な保守層であるという現実だ。
高市人気の中に埋没しないためには、自らも「闘う政治家」であることを支持層に訴える必要がある。
ソフトな"ポエム型"の発言から攻撃的な言動へ――小泉氏のこうしたシフトは、次期リーダーの座を見据えたイメージチェンジととることもできる。
かつて父・小泉純一郎氏は、「自民党をぶっ壊す」という強烈な言葉で熱狂的な支持を集め、総理大臣へと上り詰めた。
進次郎氏もまた、その路線を歩もうとしているのだろうか。