テーマパークなどで待ち時間を回避する「ファストパス」は飲食店や診療所など他業種にも広がっているが、『人新世の「資本論」』で知られる経済思想家の斎藤幸平さんが、「社会主義者的にはけしからん」と2026年4月28日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で持論をぶった。社会主義的とはどういうことか。
「ラーメンは、資本主義社会においても残された唯一平等な食べ物」
ラーメン店のファストパスに反対だというのは、なぜか。斎藤さんは、
「いろいろ濃淡はあると思う。ディズニーは資本主義の権化だからしょうがない。しかし、ラーメンというのは、資本主義社会においても残された唯一平等な食べ物です。だって、予約もできないし、金持ちも貧乏な人間もみんな並ばなきゃいけない。炎天下で同じラーメンをすするという体験を今、『俺、1000円払ったからスキップするわ』みたいなことが浸食してきちゃっているわけです。この浸食がさらに進んだところに医療があると思っている。極端な話、救急車のファストパスになってくれば命の選別にまで行きかねない。そういう意味では(ファストパスの採用は)ディズニーまででとめておいて、ラーメンは死守しなければいけない」
と話した。つまり、ラーメンは皆に平等な食べ物なのに、ということである。
玉川氏「時間をお金で買ってもいいじゃないか」
コメンテーターの玉川徹さんは斎藤さんに「僕は社会主義者に是非聞きたいが」と反論する。
「結局、みんなは時間を買っている。みんな今まで平等だった。この行列は金持ちでも金持ちじゃなくても、30分並ぶという時間を費やさない限りはラーメンにありつけない。ところが今ファストパスが受け入れられているということは、時間をお金で買ってもいいじゃないかということに、だんだんなって来ている。個人的には我々労働者は時間を売ってお金を得ている。だからその得たお金で時間を買っても不自然ではないのではないかと思う」と話す。
それに対して斎藤さんは「本当にそうか」と反論した。
「今、お金をバンバン払う余裕がある人は株とかで儲けていて、お金は必ずしも労働の対価ではなくなっている。むしろコンビニですごく働いているバイト、エッセンシャルワーカーの方が長時間低賃金で、同じ30分の重みが違う。ますます格差が広がってしまう」
「時は金なり」という。ラーメンの待ち時間30分に、500円払えますか?
(ジャーナリスト 佐藤太郎)