井上尚弥VS中谷潤人 「中谷陣営は必ず仕掛けてくる」識者展望...実力では井上優位も、あなどれない中谷の「決定力」

   プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、33)が、2026年5月2日に東京ドームで、世界3階級制覇王者・中谷潤人(M・T、28)を相手に防衛戦を行う。

  • 井上対中谷(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
    井上対中谷(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
  • 井上対中谷(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)

「中谷選手が勝つならばノックアウト。判定はない」

   井上、中谷ともに32戦無敗で、井上は32勝(27KO)、中谷は32勝(24KO)。互いに強打を誇る選手で、右構えの井上に対して、中谷はサウスポースタイルだ。

   両者がこれまで獲得した世界王座を比較すると、井上はライトフライ級(48.9キロ)、スーパーフライ級(52.1キロ)、バンタム級(53.5キロ)、スーパーバンタム級(55.3キロ)の4階級。中谷はフライ級(50.8キロ)、スーパーフライ級、バンタム級の3階級を制した。

   日本ボクシング界史上最大級の世界戦と称されるドリームマッチ。世界的に注目を集める1戦は、どちらに軍配が上がるのか。J-CASTニュース編集部は、数多くの世界タイトル戦をマッチメイクした経験を持つ、TMKジムの金平桂一郎会長(60)に占ってもらった。

   金平会長は、ドリームマッチの勝敗を「井上選手の後半KOか判定勝利」と予想した。

   一方で、中谷勝利の可能性にも言及。中谷が井上に勝つ場合、どのような展開となるのか。金平会長は、次のように分析した。

   「中谷選手が勝つならばノックアウト。判定はないと思います。中谷選手が勝つケースは、序盤から中盤までだと思います。中谷選手を格下に見ているわけではないが、どうしても流れの中で、中谷選手にラッキーなところがないと難しいと思います。仮にネリ戦、カルデナス戦のように、井上選手が序盤にダウンすることがあるとすれば、中谷選手は逃さないでしょう。それぐらいに決定力がある」

「井上選手の体が温まっていない時に攻めるのも面白い」

   井上は、24年5月のルイス・ネリ戦で、初回にプロ初のダウンを喫した。ネリの左フックをまともに受けて倒れたが、その後、3度ダウンを奪って6回TKO勝利を飾った。25年5月のラモン・カルデナス戦では、2回に左フックを食らいダウン。この試合も、ダウンを奪い返して8回TKOで勝利した。

   2度のダウンに共通しているのが、試合序盤に左フックで倒されたことだ。

   このような経緯を踏まえ、金平会長は「中谷選手の陣営は必ず仕掛けてくる」と指摘し、こう続けた。

   「特に序盤。倒されるリスクを冒して、どこでいくか。井上選手の体が温まっていない時に攻めるのも面白い。だが、リスクは相当ある。井上選手は序盤強い。特に、1ラウンド、2ラウンドが非常に強い。中谷選手はここで、ひと山作るか。そういうタイミングで打っていくと思う。中谷選手と陣営が、ダメもとで『勝負しよう』となったら、そこに勝ち目が見えてくるかもしれない。そうでないと勝ち目がなくなってしまう」

   井上は世界4階級を制覇し、その中の2階級で4団体王座を統一した。一方の中谷は、世界3階級を制覇し、井上よりも5歳若い。

   金平会長は、両者のキャリアを比較し、次のように持論を展開した。

   「両選手の現時点での実力でいうと、中谷選手が伸び悩んでいるというよりも、井上選手がなお強しという感じだと思います。底がまだ見えない。判定でも十分に勝てる技術を持っている。オリンピックのメダリスト相手にも、何もさせずに完封してしまう。アマチュアでキャリアのある選手に対しても、すごい勝ち方をするので、どのような選手にとっても難攻不落である」

   一撃必殺の強打を誇る井上と中谷。勝負はKO決着か、それとも判定までもつれ込むのか。日本が誇る両雄の対決に、世界中のボクシングファンが注目している。

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