スタートアップの突破力と悪質な利用者による問題行動
新しい産業を根付かせるため、ルールの枠組みから変えていく姿勢は、ビジネスモデルとしては正しく、スタートアップであるLUUPの突破力があった証拠でもある。
だが、そうした急速な普及ゆえに、世間の不信感もまた、一気に高まっていった。
一部の悪質な利用者による逆走、信号無視、イヤホンをしながらの運転、二人乗り、果ては飲酒運転といった問題が起こるたび、市民の怒りは強まっていった。
また、そもそもLUUPは自転車に比べてタイヤの径が極端に小さく、重心が高いため、ちょっとした段差や溝でバランスを崩しやすい。
この機体の不安定さが、運転者の低いモラルと合わされば、事故のリスクは一気に跳ね上がる。
もちろん、LUUP側もこの事態を放置しているわけではない。
アプリ利用時には交通ルールテストの全問連続正解を必須とし、違反点数制度や危険走行検知システム「LUDAS」を導入。悪質な違反を行った利用者のアカウントを即座に凍結するなどの対策を強化したほか、ナンバープレートの視認性を高めて通報しやすい仕組みを整備するなど、対策を重ねてきた。
だが、その施策は発展途上で、世間の不信感を完全に払拭するまでには至らなかった。