感情をコントロールできない高齢者 暴言に暴力、原因は脳の老化にあり

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【羽鳥慎一モーニングショー】(テレビ朝日系) 2015年11月13日放送
「キレる困ったシニア増殖中」

   各地で高齢者による犯罪が増えている。東京都の70歳男性は、自宅に設置したスピーカーから近隣住民を中傷する内容を大音量で流し、名誉棄損容疑で警察に逮捕された。番組では男が警察に連行される際、「逮捕状を読んでみろ」と毒づく映像を流していた。

   場所や相手にかまわず突然怒り出し、時には暴力をふるう。これは、脳の働きが影響しているようだ。

  • 高齢者にとって、日常的な人とのかかわりが大切
    高齢者にとって、日常的な人とのかかわりが大切

暴行で検挙された高齢者、20年で67人から3048人に激増

「銀行で行員に『手続きが多い』とどなりつけた」
「電車内で座っていた松葉づえ姿の若者に『若いやつは立て』と怒った」
「スーパーの売り場のミカン。試食用でないのに高齢の女性がいきなりガブリ。店員が注意すると『試食しなきゃ分からないじゃない』と逆ギレした」

   いずれも、番組の視聴者から寄せられた「キレるシニア」の実態だ。司会の羽鳥慎一アナがコメンテーターで作家の吉永みち子に話を向ける。

羽鳥「最近、シニアによるトラブルのニュースが増えていますね」
吉永「私はシニアの方に入っているから、複雑な気持ちで見ていました」

   警察庁によると、暴行で検挙された高齢者は1994年の67人から、2013年には3048人と実に45倍増となった。万引きの検挙者数も、2005年には少年が3万6481人で高齢者の2万3252人を上回っていたが、2011年で両者が逆転。2013年になると高齢者2万7953人で、少年1万6760を大きく引き離した。

   高齢になるとキレやすくなる原因として番組が紹介したのが、脳の老化現象だ。前頭葉が委縮すると、感情のコントロールができなくなるという。対策のひとつとして紹介されたのは、「毎日違う服を着るなど、昨日と違うことをすること」だ。シニア問題を手掛けるノンフィクション作家の新郷由起さんは、「常に新しいことをする、心身リフレッシュさせる効果があります」と補足した。

   また加齢により、心のバランスを整える作用のある伝達物質「セロトニン」が減少するのも一因だという。個人差はあるが、セロトニン不足の解決には肉を食べるのがよいそうだ。

感情をコントロールできない「前頭側頭型認知症」

   新郷さんは、認知症の影響も指摘した。認知症にはアルツハイマー型の記憶障害のほか、前頭側頭型認知症がある。この場合、感情のコントロールや衝動の抑制が困難になるという。そのため、平気で思ったことをそのまま相手にぶつけたり、ルールを無視したりしてしまうのだ。しかも、初期段階で前頭側頭型認知症と特定するのは難しい。

   コメンテーターの長嶋一茂は「医者から聞いた話」として、食生活の重要さを強調すると同時に「刺激を味わわせてあげることも大切」と話した。高齢者本人が何かにトライしたいというのを、周りがすぐに却下してはダメというわけだ。

   キレやすいシニアの特徴は、(1)かかわってくれる人がいない(2)日常的な楽しみがない(3)人間関係がうまく築けない、の3点だ。

吉永「定年になると会社と(関係が)切れて、人間関係そのものがなくなってしまう。高齢になる前に地域行事に参加するとか、人とのかかわりの中で刺激があれば一番いいいですね」
長嶋「(本人も)家を一歩出る努力が大事なんです」

   シニアの人たちに、社会の一員だと自覚してもらう。例えば近所の掃除といったボランティア活動や町内会の役員への参加を促すなどして、疎外感をなくすのが効果的だろう。

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