「ポケモンGO」は労働者のストレス減に効果 東京大が初の科学的な根拠を検証

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   世界的に大人気のスマートフォンゲーム「ポケモンGO」には「うつ症状が改善した」「引きこもりの人が外出するようになった」など多くの「健康効果」の報告が出されてきた。

   ポケモンGOを1か月以上続けてプレーした労働者は心理的ストレスが減ったという調査を東京大学の研究チームがまとめ、英科学誌「Scientific Reports」(電子版)の2017年9月7日号に発表した。世界で初めて「科学的根拠」のある調査だという。

  • ポケモンGOを楽しむ少年
    ポケモンGOを楽しむ少年

労働者の心の健康の増進に大きなインパクト

   東京大学の発表資料によると、川上憲人教授(精神保健学)と渡辺和弘大学院生は、2015年11月から日本に住む20~74歳の正規雇用の男女社員2530人を対象に、「日本の労働者の心理的ストレス」の継続調査を行なっていた。ちょうど、ポケモンGOの国内配信が2016年7月に始まったため、ポケモンGOゲームを楽しむことが労働者のストレスに与える影響を調べることにした。

   そこで、2530人に対し、ポケモンGOの国内配信前の2015年11月に行なった心理的ストレスの程度をみる同じ検査を、配信後の2016年12月にも行ない、比較することにした。「ポケモンGO」を1か月以上続けてプレーしたことがあると答えたのは246人(9.7%)だった。その人たちの心理的ストレスの度合いは2016年12月時点では1年前より2.14ポイント減っていた。一方、残りの2284人(90.3%)は0.03ポイント増とほぼ横ばいだった。年齢や喫煙習慣、仕事のストレス要因などの影響を調整した上での比較で、統計的に明確な差が出たという。

   これまで「ポケモンGO」にはうつ状態や引きこもりなどの解消に効果があるという説はあったが、あくまで「専門家の意見」の段階にとどまり、科学的根拠のある検証は今回が初めてだという。川上憲人教授らは発表資料の中で、こうコメントしている。

   「ポケモンGOが、外出して人との交流や身体活動量が増えるゲームであることが心理的ストレス改善の主な理由と考えられます。ストレス反応の効果は大きいものではありませんが、ゲームが広く普及していることを考慮すると、労働者の心の健康の持続的な増進に大きなインパクトを与えると思います」

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