2024年 4月 17日 (水)

「お米の正しい研ぎ方」ってどんな方法? 水の無駄遣いの夫婦喧嘩からネットで論争

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   ふだん何気なく炊いているお米。アナタはどんな研ぎ方をしていますか。

   インターネット上で、ザルとボウルを使って米を研いでいた女性が、夫から「水を無駄遣いするな」と言われてキレたことから、どんな研ぎ方がよいか、「論争」が起こっている。

  • 米の研ぎ方にもいろいろ
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妻「ボウルとザルで」、夫「お釜で研ぐ練習をしろ!」

   ことの発端は2017年8月24日、女性の発言サイト「発言小町」に載った次の投稿だ(要約抜粋)。

「お米を研ぐ時、ボウルを使いますか? それともお釜で研ぎますか? 私はボウルとザルを使いますが、それを見た夫から『洗い物が増えて効率が悪い。釜で研ぐべきだ』と言われました。私がカチンときて、『お釜だと水切りがさっと出来ないし、お米がこぼれる』と言うと、夫は『慣れればこぼれない。練習しろ! ザルは水だってよけいに使う』と馬鹿にしたように言いました」

   この投稿には、夫の高飛車な態度を批判する意見が相次いだが、それはともかく、「ザルとボウル派」「ボウルだけ派」「ザルだけ派」「お釜派」、そして米を研がない「無洗米派」と、見事に5派に分かれた回答が来た。「ザルとボウル派」が一番多かったが、少数派の意見をみると――。

   まず「ボウルだけ派」の理由はこうだ。

「お米関係に勤務しています。お米はザルで研ぐと米粒が割れやすくなります。お釜で研ぐと釜のコーティングが取れやすいです。私はボウルだけで洗います。昔ほど糠の付着はありません。研ぐというより洗う感じです」
「口のところが格子になっている、水切りが付いたボウルを使っています。当然こぼれることもなく、洗ったらそのまま流す、ができて便利です」

   「ザルだけ派」の理由はこうだ。

「断然ザルです。ボウルも使いません。ザルの中にコメを入れ、ちょっと濡らしてグルグルかき回し、流水の下でグルグルかき回し...を2回やれば十分きれいになります。ボウルを使うと、糠っぽい水を米が吸ってしまいます」
「ザルだけです。なぜなら炊飯器を使わず、土鍋や圧力鍋で炊いているから。先日、お米に虫がわきました。糞は小さくて下に沈みます。そういう時もあるので、やはりザルだけで洗った方が細かい異物を取り除きやすいです」

無精な人に多い「お釜」と「無洗米」

   一方、「お釜派」には「面倒だから」という無精派が多かった。

「共働きで、お米を炊く人は決まっておらず、夫も私も釜で洗います。ボウルとザルを使うと洗い物が増えるし、お米を洗った後にすぐ炊けます。味なんかどんな炊き方をしてもたいして違いません」
「私は怠け者なので、いちいちザルを出すのが面倒なので。コーティングがはがれない米研ぎOKのお釜です」

   「下らない夫婦の意地の張り合いをするくらいなら、無洗米にしたら」というアドバイスも多かった。

「楽なのでもう何年も無洗米にしています。水の無駄をおっしゃる夫さんに環境のためにも無洗米をオススメします」
「金芽米だから、お米を洗わないです。それに今のお米は精米技術が発達して研ぐ必要がありません。水につけて放置し、ザルを10回ぐらい上下させて水を切るだけでよい物さえありますよ」

   J-CASTヘルスケアの取材に応じた千葉県の50代女性Aさんは、最初は「ボウルとザル派」だったが、だんだん手を抜くようになり、現在は「無洗米派」だ。

Aさん「子どもが小さい時はちゃんと家事をしようと、しっかりザルとボウルで洗い、保育園のお弁当を作っていました。しかし、私の仕事が忙しくなったのと、子どもが給食になったので、楽なお釜に。お釜のコーティングがはがれましたが、味が悪くなるわけではないので気にしないで使っています。今は無洗米ですが、味は普通の米と変わりません」

「お米マイスター」の正しい方法はボウルだけで研ぐ

   ところで、正しい米の研ぎ方はどんな方法だろうか。日本米穀小売商業組合連合会では「お米マイスター」(注:マイスターは巨匠・師匠の意味)という資格制度を作っている。米に関する専門職経験がある人だけに受験資格がある、いわば「お米の博士号」といえる資格だ。

   米穀店「スズノブ」店主で5ツ星お米マイスターの西島豊造さんは、NHK「あさイチ」やテレビ東京「ソレダメ!」など多くのメディアに登場、米の美味しい炊き方などを広めている。ホクレン農業協同組合の北海道米販売拡大委員会が2012年9月30日にYouTube上に公開した「5ツ星お米マイスターの西島豊造さんの炊飯器でのお米の炊き方」を見ると、西島さんはザルを使わず、ボウルだけで米を研いでいる。ポイントはこうだ。

   (1)まずボウルに米を入れて、水を注いですぐに捨てる。このすすぎ作業を2回繰り返す。研ぐ時は優しく、丁寧に、しかし研ぎ過ぎないのがコツ。だから、できるだけ素早くする。

   (2)指を大きく広げ、シャカシャカと音を立てながら、ボウルの底に円を描くように回し、20回混ぜる。精米店から買ったばかりの米なら、この作業で米研ぎは終わりだ。しかし、買ってから1週間以上たっている場合は、汚れがあるため、以下の作業を行なう。

   (3)ボウルに水を加えて捨て、糠を洗い流す。この作業を2回。

   (4)さらに(2)と同じ要領で10回研ぎ、再び水を入れて洗い流す。この作業を2回。

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